2013年12月9日月曜日

楽譜が読めなくていいわけない!


楽譜を読めないミュージシャン(といっていいのかなあ)がいますね。

それなりの年齢から音楽を始めた人ならほとんど同意してくれると思うけど、楽譜を読むことなんて実はとっても簡単。30分でそこそこ読めるようになるものさ。んで、あとはできるだけ初見で演奏できるよう訓練をしていく。幼い頃から音楽やっている人は別ね。簡単に読めちゃうでしょ。

だから、ちょっと学べばすぐに読めるようになるものをいつまでも努力もせず、読めない状態でいるというのが、おいらには理解できない。

こう反論する人がいるだろう。「ウェス・モンゴメリーやバディ・リッチは楽譜を読めなかった」。おいおいちょっと待ってくださいよ、じゃあキミはジャズ史上特に天才として評価されているお二人なみの天才なのかい?じゃあキミは10人に同時に話しかけられて理解できないときに「聖徳太子は同時に話しかけられてもちゃんと聞き取れたそうだぜ」と言われたら反論しないのかい。

だいたい、彼らの「楽譜が読めない」というレベルはおいらたち凡人とは違うと思うよ。

ジャコ・パストリアスは「初見で演奏できないなら、それは『読める』とは言わない」と言った。そんなこといったらおいらなんか読めないことになってしまうので、ここではジャコに引っ込んでもらいたいんだけど、つまりウェスの「読めない」はそれなりには読めるという可能性が高いよね。

だいたい、あのフレージング、明らかに音感で感性だけで作っているのでなくジャズの理論に裏付けられたものだ。そこまでそれなりに音楽を学んだ人が、プロとして活動しているのにまったく読めないということはありえないでしょ。

続いて、こう反論する人もいるかも。「一度聴かせてもらえば、完璧に記憶して再現するぜ」。バディ・リッチはこの手の人だったらしいけど、大天才はわきに置いておこう。

その「一度聴かせる」のはどうすればいいのだろう?誰かがあなたのために演奏する必要があるよね。じゃああなたはいらない、その「誰か」でじゅうぶんさ。

あと、ホント細かい符割を一度聴いただけで完璧に再現するのは現実的には無理だと思うよ。だいいち4ビートはノリの個人差が大きいから(それがジャズの魅力なわけだが)、キミに聴かせる人によってキミの演奏はいくらでも変わることになる。

昔、あるお笑い芸人が歌を歌って大ヒットしたとき「デモテープでもらったのが作曲者の藤井フミヤさんだったから、それを真似して歌ったんです」といったら、インタビュアーが「ああ、確かにところどころフミヤさんの歌い方にそっくりですよね」といっていたな。

話は戻るけど、既存の曲なら事前にCDでも聴けばなんとかなるかもしれない。
でも、オリジナル曲をバンドのメンバーが持ってきたときにどう対処すればいいでしょうか。

スタジオ・ミュージシャンだったら、そんなこと言ってたら仕事ないよ。1回聴かせるだけでも時間の無駄でしょ。

アマチュアで、1分いくらでスタジオ借りて練習しているとしたら、楽譜が読めない人がいるだけで無駄な時間ができるわけだな。

よく、偉大なミュージシャンについて「楽譜が読めたらあんなにすごいことはできなかった」という意見をきくがそんなわけないよね。例外はあるかもしれないけど、楽譜が理解できないという人は音楽的センスがない。ましてや、「楽譜が読めるとそれに頼ってしまって小さくまとまってしまう」という意見。これは違うよ。クラシックの作曲家たちをきいてみると、まとまるどころか常にその時代の最先端を行こうとしているのがよくわかるはず。


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