2013年12月25日水曜日

ジャズにおけるボサノヴァ


ジャズ側の人間がボサノヴァの話をすると、ブラジル音楽通には「わかっていなくせに」という顔をされるときがあります。

おいらだって、リズムがボサノヴァ「っぽい」ものを単に「ボサノヴァ演奏します」というのは心が痛むよ。ブルーボッサとか明らかに純ボサの曲じゃないとは思うし、リズム自体ドラムセットで叩きだすものはボサノヴァとは似て非なるものだと思う。けど、「では次は、ボサノヴァに似せたリズムで、ボサノヴァで歌われる曲を演奏します」というわけにもいかないでしょ。こだわるブラジル通は「ボサノヴァのリズムはサンバのリズムね」というつっこみもあるかな。

ジャズにおけるボサノヴァについていいたいことがいくつかあります。・・・あるはずなんだけどちょっと思い出せないので、思い出せる2つを話しますね。

まず、リズムの体感のしかた。若手ドラマーで、ボサノヴァの8分音符や(いわゆる)サンバの16分音符をそのまま数えて叩こうとする人がたまにいる。そうすると、かなりせせこましくなって、テンポがめちゃくちゃになる。ボサノヴァはもともと4分の2で書かれている音楽だから、ジャズでやるときは2分音符のゆったりとした大きな拍を意識しないとダメ。いわゆるサンバの場合は4分音符を意識する。それが重要だね。

今まで一緒にやったなかで一番ひどかったドラマーは、イパネマを演奏したら最初のテーマの間にテンポが倍になった。ホントだよ。

それと、ボサノヴァをオフビートでとらえようとすると、これまたちぐはぐなノリになってしまうね。どうも「オンビートはクラシック、ポピュラーはオフビート」と区分している人が多いようだが、そうではないよ。

 
以前、あるボーカリストのバックをやったときのこと。ドラマーは、4ビートには慣れていても南半球系が苦手という人だった。
ボーカリストが「ウェイブ」をやる、といって、オフビートでカウントし始めた。おいらは「ヘコーッ」とパーマンのみつおくんのようにずっこけてしまったが、やはりドラマーがそのオフでのカウントにだまされたのか、細かくチコチコ叩き始めて、なんだかせせこましいウェイブになってしまった。






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