2016年4月30日土曜日

ケニー・ドリューはオシャレか



80年代後半から90年代初頭の日本では、ケニー・ドリューが、ヨーロッパ的で、ロマン派で、気品がある、みたいな売られ方をしていた。発売されるアルバムのジャケットはすべておしゃれな貴婦人のイラストみたいなやつ。わかるでしょ、アルファジャズがそういう売り方をしていたよね。

さて、彼はそういったことを意識して演奏していたのだろうか?おいらは断じてちがうとおもう。たしかに音がクリアなペデルセンを擁したトリオでスタンダード中心に演奏していたけれど(これがまた、いいオーディオで聴くと最高にすばらしい)、ビバップの頃から彼は一貫して自分にとってのジャズというものをもっていて、スタイルが少し変わった晩年になっても芯はぶれていなかったおもう。難解なことをしないスタイルにバブル期の日本のレコード会社が目をつけてああいう売り方をしただけだ。
ピーターソンと同じく、どんな曲でも粋なアレンジで器用になんでもできることが災いしたのか、軽くみられることがあるのが残念。



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2016年4月29日金曜日

パット・メセニー 好き嫌い



パット・メセニーを嫌いなひとはいるのだろうか?いや、当然いるよね。「グループやライル・メイズとの作品は好きだがメセニー単独では嫌い」というのが多数だろう。え、違う?だってゼロトレなんかさあ・・・

あと、ジャズは60年代までというSJ主義者なんかは髪型や服装がロックみたいで認めないということになる。ジョシュア・レッドマンも共演するまでは外見で判断して嫌いだったそうだ。おいらの知り合いのY君はジャズのギタリストであるのにパット・メセニー嫌いである。理由をきいたら「とりあえず1stのブライト・サイズ・ライフを買ったら全体的に暗いサウンドで、曲名も知らない単語の羅列で意味がわからなかった」からだという。

ジャズのギターをやっていれば当然パットの情報が入ってくるのだが、これまたマニアックなECMのサウンドが嫌いというのもあって、グループのサウンドすらあまり聴いたことがないという、めずらしいギタリストになってしまった。まあ、おいらもメセニーはグループ以外の作品はハズレ率が高いとおもうけど・・・。



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2016年4月28日木曜日

ブラジルもどき



少し前、BEGINがブラジルでライブやったというドキュメンタリー番組がBSで放送された。それがすごいこととかという内容ではなく(ブラジル公演は3回目だし)、テーマがよくわからないのだけど、あえていうならブラジルのリズム「マルシャ」をとりいれたということなのかな。日本にあるブラジル料理店でブラジル料理とカイピリーニャを飲みながら、店主や客という設定の芸能人とトークしつつ現地でのVTRが流れるという構成なのだけど、どんな曲もマルシャになるということになり(ジャズで4ビート曲をボサノヴァにするみたいなもんだね)中島みゆきの「時代」とかをBEGINの3人がカウンターで演奏した。

ギター、アコーディオン、タンバリンという構成なんだけど、ブラジル音楽といいつつパンデイロでなくタンバリンというのは妙に違和感があった。上手だったけど。ブラジルにもタンバリンはあるそうだからいいのかね。ギターがガットじゃなくてスチール弦でしかもカッティングしてるのは・・・まあ仕方ないか。リズムがマルシャといっているんだけど2,3曲やってるとどうきいてもただのボサノヴァのように感じた。

番組の最後は全員で1曲やったんだけどウクレレ、カスタネット、マラカスなどが参加して、番組制作者はもしかしてこれでブラジルっぽいと思っているのだろうかと唖然としてしまった。カヴァキーニョではないわけだ。知っててやるならかまわないけど、知らないでやっていたとしたらあとでブラジル音楽を知ったときに消し去りたい過去になるのだろうなあ。



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