2013年12月12日木曜日

市販の楽譜の特徴



ジャズの市販の楽譜にはいくつか種類があるけど、一番有名なのは伊藤伸吾氏の「プロフェッショナル・ジャズ・スタンダード」だろうね。通称「青本」。



ただ、これはメロディがかなりテキトーなのが難点だ。ほかにもいくつか不満はあるし。

一方、ボーカリストが多用しているのがこれ。「スタンダード・ジャズのすべて」。赤と青があって、先ほどの「青本」に対して「赤本青本」と呼ばれている・・・と思う。おいらはそう呼んでいる。
http://ecx.images-amazon.com/images/I/21hNK-igYdL._SL500_AA300_.jpg
この赤青、版を重ねるたびに収録曲が少しずつ変更されているのが特徴かな。最初期にはミスティが掲載されていたがそのあとなくなったとか、ブラックコーヒーがいつの間にか掲載されていた、とか。
絶対に誰も演奏しない曲が載っていることでも有名だ。ハンコックの「ホーネッツ」やドルフィーの「ミス・アン」、やや「やらない」ランクが下がるけど、オーネットの「ロンリー・ウーマン」も載っている。誰がそんなのやるの・・・

赤青は、歌詞とヴァースが載っているのが最大の強み。そのためにボーカリスト御用達となっているんだけど、コードがジャズのものとまったく違うのが残念。ジャズマンのオリジナルはいいけど、歌モノの場合原曲の響きをそのままコードにしているから、ジャズの一般的な進行と違っている。

だから、間違いではないけど、これをコピーしてそのままバンドにもって行くと「コードが違う」といわれるか、何もいわれなくても嫌な顔をされるのだ。いまここまで読んで謎が解けたというボーカルの人、いる?

ついでにいっておくと、権利の都合か、アーヴィング・バーリンの曲はこのような市販楽譜集には掲載されていない。少なくとも日本語版の楽譜集にはない。バーリンの楽譜集自体はあるし、また、英語版の楽譜集には掲載されていたりする。どうしてだろう、やっぱり権利関係なんだろう。
ちょっと残念だけど、バーリンの曲は実際やってみるとコード進行がつまらないものも多く、まあいいかと思うんだけど。メロディはきれいだから、ボーカル向きの曲なんだろうな。

↓よろしければ投票してください!

音楽(ジャズ) ブログランキングへ