2013年12月29日日曜日

「音を出さない」ということの重要性


How to improvise」という本がある。日本語版もでているが、要するにアドリブの教本だ。
前書きに「ある程度アドリブできる人向け」とあるけど、コードの知識がある人であればこの本を読んでいいと思うよ。アドリブ初心者にもじゅうぶん有用。

この本の冒頭は、なんと「音を出さない」レッスンなのだ。ちょっとアドリブができるようになると、とにかく音を出しまくってしまうものだよね、特にサックス。だから、意識して音を止める練習をさせるのです。

マイルスはまさに「間」でアドリブをする天才だったけど、これはチャーリー・パーカーとの共演時代からもよくわかる。クッキンの「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」のラスト近くの約3小節の空白もすごーく絶妙。

「間」というと、管楽器は息が続かなくなれば必然的に音が止まるけど、ギターとなると延々と弾き続けることができるから注意が必要だね。
あと、ギター、サスティンがあるディストーション・ギターなんかだと顕著なことだけど、音を意識して止めないとずっと伸びていく。これを止めることはとっても重要。

おいらはロックも好きだけど、ロックの間奏で聴かれるギターのソロは、フレーズはかっこいいのにどいつもこいつもまったく音を切らないので、すごくしまりがない。ロック好きの人は意識して聴き比べてみて。

マーク・イーガンが、「腕に覚えのあるアマチュアが、私に音源を送ってきて売り込もうとするんだが、すべてダメ。でも彼らには理由がわからない。実は、テクニックはあるのだが音を切ることができない、ダイナミクスがわからないから、演奏にしまりがないのだ。それに気付く必要がある」といっていた。ね、演奏をするためには「音を出さない」ということも重要でしょ。


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