2013年12月23日月曜日

エレクトリック・サックス



エレクトリック・サックスをご存知でしょうか。おいらが知っているのは、エディ・ハリスとマイケル・ブレッカー。トム・スコットはけっこう初期からリリコン使っていたから、エレクトリック・サックスを使っていたかどうか知らない。すみません。

エディ・ハリスのこのアルバムジャケットを見ると、サックスのネックからコードが延びているのがわかるでしょ。普通のサックスの音を拾って電気で加工するというものらしいね。


 ブレッカー・ブラザーズの「ヘビーメタル・ビバップ」では、マイケルがゴリゴリ吹いて和音まで出していたから、聴いたことある人には相当に印象に残っているはず。

ヘヴィー・メタル・ビバップ

今回はこっちでなく、「テンダー・ストーム」のほうについて話します。

わたせせいぞう氏の大傑作「ハートカクテル」の中で、このアルバムが、やけにおしゃれに取り上げられているんだけど、おいおい、エディ・ハリスだよ?おまけにエレクトリック・サックス。わたせせいぞう氏は、おそらく執筆時点でこのアルバムを聴いたことなかったのではないか?と思う。だってさ、おいらが作者だったら、あんな別れた彼女と久しぶりの電話で話題になるレコードというストーリーならさ、こんなのじゃなくてマハビシュヌ・オーケストラの「黙示録」とか、いやいやいやいや、ビル・エバンスの「ワルツ・フォー・デビー」とかを話題にするよ、うん、それしかない。
テンダー・ストーム

さて、冒頭の「男が女を愛するとき」。パーシー・スレッジのオリジナル・バージョンを想定して聴くと、かなり肩透かしをくらう。フツーのバップ曲って感じ。確かにアトランティック・レーベルの色は出ているけど・・・
でも逆に、このバージョンを聴いて、オリジナルから離れてジャズで演奏するにはこうすればいい、というヒントも得られる。そういう意味では聴く価値あります。

で、肝心のエレクトリック・サックスはどうかというと、マイケルのようなものを期待してはいけない。「いわれてみれば、確かに何か加工してるかも」という程度で、サックスの音がちょっとぼやける程度なのだな。これだったら普通に演奏してもらったほうがよっぽどいい。右にも左にもいけていない、こうもりみたいな感じだ。

だが、時代の空気を感じるアルバムというのは、それだけでなんとなく好きになってしまうものだよね。



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