2014年2月3日月曜日

ビッグバンドのこういうところが大嫌い



ジャズをきくひとの中には、コンボは好きでもビッグバンドはきらいというひとがいる。
おいら自身はビッグバンドをきらいではない。しかしアマチュア・ビッグバンドとなるとそうでもなくなる。
なぜならアマチュアのビッグバンドはジャズというよりも吹奏楽の傾向がつよいから。
アマチュアのビッグバンドは、吹奏楽をやっていた人たちが大半をしめていることが多い。彼らはジャズが好きなのではなくアンサンブルが好きなだけ。
まあそれはべつにいいさ。メンバー確保のためにこういうひとたちに参加してもらうのは仕方ない。そうでもしないとトランペッターなんか確保できないしね。

でもね、学生のときやっていた吹奏楽の論理を持ち出されてはたまらないよ。

以前、頼まれてビッグバンドに参加することになった。ベイシーの曲をやるのでギターを数曲ひいてくれという。ギャラをもらえる仕事だ。

練習当日、おいらは頼まれたわけではないけど、自主的に早めにいってイスをならべるなどの準備を手伝った。
おいらが今回限りであると他のメンバーに説明されていなかったようで、そのときおいらは新入りだとおもわれていたようだ。

リハーサルがはじまった。たしかAトレインだったかな。有名なトランペットの書きソロがある曲。クーティー・ウイリアムスか。
それを吹いたペッターが、もう自信満々で得意げにドヤ顔でやるわけですよ。「どうだ新入り、オレをあがめろ」みたいなオーラがでていたね。おそらくいままでに何百回も吹いてるんだろう。書きフレーズを。

おいらにとっては初めての曲で、譜面の飛び方(コーダやD.S.がいくつもあったり)についていけない曲もあったせいか、休憩時間には数人の吹奏楽出身者が早くもおいらを格下扱いするようになった。年配のひとはちがうが若いやつらがそんな感じ。
これが吹奏楽の人間である。ムラ社会というやつだな。学生のころに、わけのわからん上下関係の掟があったんだろうな。どういうものかわからないけどさ。

でもね、ノリもわからず単に譜面追いかけてるだけしかできないやつが何を偉そうにしてるんだかとも思ったよ。

年下の大学生のアルトにいわれてしまった。

「あんたさぁ、ああいう風に弾かれるとやりづらいんだよね。もっと考えてやってよ」
どうやらおいらが譜面の飛び方についていけなかった曲に対してクレームをいっているらしい。

金髪のトランペットのやつはくわえタバコでおいらのギターをみながら知ったかぶりしている。
「セッティングが悪いんじゃないの?弦は何?まさか〇〇じゃないよな~。いくらなんでも〇〇でしょ、・・・・・」

あー、うるせえ。
とりあえず仕事のためのリハで今回限りだとおもっているのでだまっていた。

その後、2回目の休憩の直前あたりでなんとなくメンバー数人で曲が始まった。
リズム・セクションと管楽器が数人。曲は忘れたけど有名なスタンダード。譜面など当然なし。普通は覚えているもんだからね。
みんなでソロとっていっておいらもその日はじめて開放された気分でソロをとった。やっぱジャズの醍醐味はこれだよな~
順番にソロイストがかわっていったが大学生アルトの番になったときに、なんと彼はうつむいてしまった。吹奏楽しかやってないからジャズのアドリブができないのだ。金髪のペットは立ち上がって部屋の隅に行った。あ、そうか、キミも書きソロしかできないもんね、失敬失敬、わははは。

リハーサルがおわって片づけるときにアルトとペットの態度が全然ちがっていた。
ペットは頼んでもいないのにおいらのシールドを巻いてくれてアルトはこれも頼んでないのにアンプを運んでくれた。言葉も敬語になっていた。

うーん、ジャズは偉大だ。



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