2014年2月17日月曜日

音楽は会話か?



音楽は会話だというひとがいる。おいらの周りにはいないけどw

評論家などがビル・エバンスのトリオの話で、インタープレイに言及するとき、「音楽で会話をする」という。はたしてそんなことができるのかな。

チック・コリアのピアノデュオ、ハンコックやゴンサロなどとやっている映像をみたことがある。ピアノを向かい合わせに並べて、お互いに顔を見ながら眉を八の字にしたりにっこりしたり、演奏していて何かを伝え合っているようであった。コリアのエレクトリックバンドの映像でも、ジョン・パティトゥッチとそんなことをしていた。

あれは会話なのだろうか。

はっきりいうけどさ、音楽で会話なんかできないでしょ。何らかの意思を伝えることはできるだろうさ。「ほらほら、次こんな感じにするよ~」とか「だいぶ盛り上げてみましたよ、さあ次はあなた」みたいなことを伝えるため、なんとなくフレーズを弾いて相手の顔を見てアイ・コンタクトするということで。でもそれはアイ・コンタクトあって初めて成り立つものであり、目をつむってフレーズだけで意思を伝え合うのはかなり厳しいんじゃないかな?

エバンストリオでラファロのフレーズとエバンスがうまく重なったり追いかけている瞬間はあるけど、あれは会話ではなくラファロがエバンスのあとに同じフレーズを弾いただけだったりもする。会話でない証拠に、エバンスのフレーズのあとにラファロが似たようなことをする、その次がない。その次にエバンスが何かそれに対して会話のような反応をしたか?

スタン・ゲッツが「音楽は語学に似ている。スケールがアルファベットでコードが文法だ」といったそうだ。それはあくまでも例え話であり、実際に言語であるというわけではない。ゲッツも「自分はそのように、音楽という言語で話したい」といっているが、ゲッツのプレイを聴いてわかるように、一方的に「話す」だけであり「対話」「会話」ではない、つまり言語ではないのだ。力説するまでもないな。

百歩譲って、フレーズで会話ができることにしようか。しかし、ギターのコード弾きじゃ無理だわな。ロックバンドがライブで、リズムギターが向かい合って弾くようなパフォーマンスがあるけどね、あれはただ向かい合っているだけ。
ジョニ・ミッチェルのビデオでもパット・メセニーとジャコ・パストリアスとジョニが向かい合って演奏するシーンが何度か出てくるけど、ジョニはコードをかき鳴らしているだけなので「いったい何をしたいのだろう」と思ってしまう。

つまりさ、あれは会話じゃないんだよ。会話じゃなければジョニのやっていることもよくわかる。演奏が楽しいから共演者のほうを向いたりとかいろんなアクションをしている、ただそれだけ。それを会話だとか言い出すから「コード弾きが会話かよ」と揶揄されるのだね。



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