2014年2月27日木曜日

あるギタリストの肖像 3


ライブが終わった。

ところが、チケット(当時はちゃんとチケットつくってたのです)の売上をメンバーでわけるとき、なぜかT氏が仕切っていた。
おいらは今回のライブはT氏とギターがかぶっていたので参加しない曲が多かった。
T氏がおいらに千円札を2枚渡した。

「はい、君はほとんど弾いてないんだからこれだけね」

ドラムが参加しない曲もいくつかあった。
ドラムのR君には千円札3枚渡した。

「君はこれだけね。あとはこっちで分けるから」

おいらは渡された千円札をテーブルに置いた。
「ふざけるな!いらねーよ!」

そう言い捨てて帰った。金額の問題ではないのはわかるでしょ。

しばらくしてE君と会うことになった。このライブ以降一切連絡をしていなかった。
今後T氏とはいっしょにやっていけない。悪いがおいらは抜ける。そういうつもりだった。
しかし
E君は開口一番こういった。

「T氏とはもう一緒にはやらない。W君とR君から『T氏がくるならおいらたちはもうやらない。解散だ』といわれた」

その後T氏とはまったく会ってなかった。向こうはジャズじゃないから接点がなかったのだろうね。

このライブから10年くらい後、おいらはブライダルの演奏でピアノと二人で演奏していた。
それを遠くからニヤニヤしながら見ているヤツがいた。T氏だった。あいかわらずいけすかない。
そのときのピアノと面識があるらしく演奏が終わって後片付けをしているときに近づいてきて親しそうにピアノ氏と話し始めた。
おいらは黙って片づけていた。すると、

「あれ、どこかで会ったことある?」
T氏がおいらこういってきた。

「いや、知らないね」
こう答えておいらは立ち去った。



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