2014年1月30日木曜日

クルマで聴くジャズ



別のところで「ジャズはおしゃれではない」といったけどね、ジャズを聴き始めた青二才のころは、当然おいらもおしゃれだと思っていた。

いや、言いなおそう。最初期からコルトレーンの「至上の愛」をヘビロテしていたおいらだから、ジャズすなわちオシャレ、ではなく、「おしゃれなジャズもある」という認識だった。それは正しいことだよね。

そうすると、若々しいころは「ジャズ=おしゃれ」が「おしゃれなジャズを聴いているおいらはかっこいい」という転換をするわけだ。これを読んでいるあなた、ちょっとギクッとしたでしょ。

80年代を生きてきたひとなら、FMラジオやレンタルCDで特製ドライブ・ミュージックのカセットテープ(もう知らない人いるかも)を夜更かしして作って、翌日のデートでさりげなくそれをカーステレオで流す、なんてことをしたことあるでしょ。またはいつかそういう日を夢見てカセットづくりだけは念入りにしていたとかw

それをジャズでやろうとしたおいらは相当のアホである。車に乗るとエンジン音やタイヤの音で低音が聴こえなくなるのだ。

さりげなくBGMのように流すので音量が小さい。自分の満足いくまで音量をあげると同乗者にとっては騒音となってしまう。

電車に乗っているときにスマホでジャズを聴けばすぐわかることだけど、ジャズはベース音が聴こえないとコード感がなくなりわかりづらい場合がある。

それに対して、ポップスやロックはベース音が聴こえなくても上でしっかりとギターなりがコードを弾くため、曲想はぼやけない。

おまけにしじゅうギターが鳴り響いていたり圧死するほど音を重ねているポップスにおいては、ベース音などバランス程度の役割しかない。が、ジャズはピアニストが音数少なく弾いたりリハモしたりする場合でベースが聞こえないと、なれてない曲などは一度見失うとわけわからなくなる。

さらに、ジャズファンはこの事実に気付いていないようだけど、一般人はボーカルが入っていない音楽を聴くことができない。すぐ眠くなる。または曲の違いがわからずどれも同じに聴こえる。嘘じゃない、複数の非ジャズファンの意見を総合するとこういう結論になっちゃう。

そんなこともあり、待ちに待ったデートで、がんばっておしゃれっぽいジャズを流しても、逆効果ですからね。ビル・エバンスがセシル・テイラーのように聴こえてしまうかもしれない。

そんなことをしようとしていたキミ、経験者がいうのだから、よしたほうがいいぞ。




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