2014年1月2日木曜日

単音楽器の嘆き



管楽器は、(コルトレーンとかアルバート・マンゲルスドルフという偉人(変人?)を別にすれば)単音楽器だ。つまり、人の声と同じように、和音が出せない。
あ、モンゴルのホーミーも例外ね。

知り合いのサックス奏者は、サックス吹いているというと、よく「結婚式で何か演奏して」といわれたりするといっていた。カラオケ使うのはかっこわるいし、バンドのメンバー呼ぶわけにもいかないから断ると、その理由を理解してもらえないとのこと。

彼は、「単音楽器だから」と説明しても、
「コイツ、何語しゃべってるんだ?おーい、みんなきてみろよ、おかしなヤツがいるぜ~yomen!」みたいな顔をされるので、
「ピアノの右手部分しか出せない楽器なんだよ。左手なしでピアノをひいてもおもしろくないだろ」という説明にしたら、さらに意味不明な顔をされたそうです。

そこで、「カラオケにいって、カラオケの音を流さずにマイク持って歌ってたらおかしいでしょ。サックスってのはバックのメンバーがいないとそうなってしまうのだよ」といって、ようやく伝わったそうだ。

おらいがあるボーカルのバックをしたときのこと。そのボーカルは一応ベテランの部類に入るんだけど、はっきりいって少々センスがおかしい。
バックメンバーとしてギタートリオ+サックスだった。ボーカル女史は、「途中でメンバー紹介するから、そのとき各自2~3分、ソロで演奏するように」とおっしゃった。
「2~3分」って相当長いぞ。困ったのはサックスですよ。リー・コニッツやロリンズじゃあるまいし、無伴奏で演奏はきつい。ていうか客のほうがきついねえ。さらにいうと、その客のきつさをわかっていないな、コイツと思われながら演奏しなきゃならないのがきつい。

だが、誰も女史には逆らえない。

さあ、いよいよそのときがきた。(つづく)


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