2017年12月23日土曜日

クラシックコンプレックス



80年代~90年代において一部のジャズミュージシャンがクラシックのアルバムをつくることがけっこうあった。おそらくほとんどのジャズファンは「クラシックに迎合しやがって」という感情をもったのだとおもう。しかし老舗のジャズ雑誌、スイングジャーナルだけは嬉々としてそれらのクラシック音楽のアルバムを新譜コーナーで紹介した。採点はどれも高評価(あの雑誌の場合低評価がつくのはよほどの場合だが)。知ったかぶりとしか感じられないジャズファンが読む雑誌で何をやっているんだとおもったね。こういうところにジャズ側のクラシック・コンプレックスがあらわれている。

ジャズ側の人間はロックやポップスは音楽的に下だとみるが、クラシックについては自分たちより上だとおもっている。マイルスが自伝で言っているように、たしかに多くのロックミュージシャンは音楽のことをまるで知らない。セブンスがテンション扱いとなる世界だからジャズのほうが高度だと思うのだろう。譜面の読み方など当然知らず、タブ譜か耳コピが主流。この耳コピという言葉も大嫌いではある。
オタマジャクシの意味について話すと「あ、理論はちょっと詳しくないんだよね」といわれる。オタマ程度が理論として受け止められることに唖然としたものだ。

ではクラシックはといえば、ミュージシャンは全員幼いころから楽器を始めて初見の読譜なんてできてあたりまえ、そんなの普通で全然すごくない、というひとたち。この時点で初見に弱いジャズ側はかなりのコンプレックスをもつ(ピアニストは別ね)。リタルダンドとフェルマータとその他数個の音楽用語しか知らないジャズ側とくらべて、ドイツ語の聞いたことない発想記号まで熟知している(「カンタービレ」なんて言葉はのだめで初めて知ったぞw)。
さらには、高尚なイメージで歴史が古くヨーロッパが中心でコンサートはチケット代高いのにいつも満席で、しかもそれが大きな会場で全員が絶対音感もっていそうな雰囲気で金持ち・音大・留学があたりまえで・・・・とまあ、確かに上だと感じてしまうわなあ。
音楽に上下はないのかどうか知らんけどコンプレックスもつのは仕方ないな、うん。でも今更ながらこれだけはいいたい。ジャズ雑誌でウイントンの「熊蜂の飛行」とか紹介されてもウザいだけだぞ~!!!



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