2014年5月16日金曜日

ロン・カーター 12



スイングジャーナルの企画で、ブラインド・フォールド・テストというものがあった。
レコードを聴いて演奏者をあてるという、ジャズファンならだれでもやったことがある遊びだね。
毎回、ジャズミュージシャンを招いて小川隆夫氏が出題してコメントをもらうという、おもしろい企画だった。

出題にはけっこう気を使っているようで、誰だったかわすれたけど超大物がゲストのときは「モーニン」とか「サムシンエルス」とか、わからないほうがおかしいようなやつから出題していた。「簡単すぎる」とクレームつけているひともいたな。

バルネ・ウィランがでたときは出題内容はすべてサックス奏者だったのだけど、ブランフォード・マルサリスが変名でやっているヒップホップのアルバムを聞かせたところバルネが激怒して「なんだこれは!こんなものは聴く価値がない!」とかいっていたような記憶がある。それじゃなくてもバルネは辛口でなかなかおもしろいことをいっていた。

さてここからが本題。記憶がまちがってる部分もあるかもしれないので、その辺はご容赦を。
ゲストがペデルセンだったことがある。速弾きで有名だけど音程も正確無比である。まさに鬼、というひと。初期のポール・ブレイと実験的な音楽を作ったりして、多才なミュージシャンだ。おいらは大好き。

小川氏はまずレイ・ブラウンのレコードを聴かせた。
あたりまえだがペデルセンはすぐに誰の演奏かわかり、レイを絶賛した。

そのつぎにたしかポール・チェンバースだっただろうか。
それも答えて和やかに進んでいった。

そしてでてきたのはロン・カーターの演奏。レコードが何だったかは忘れた。
そのとき、いままで温和に話していたペデルセンの口調が強くなったのだ。

「なんだこの外れた音程は?いったいどういうつもりだ?」

小川氏「演奏者はロン・カーターです」

「ロン・カーターだって?彼は一から練習しなおしたほうがいい」

たしかこんなやりとりをしていた。辛辣な意見である。当時これを読んだおいらは思わす吹き出してしまった。


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