2016年11月24日木曜日

いくらなんでもそれはない


昔の話。

ドラマーのYさんから、クリスマスのパーティのBGM仕事を頼まれた。ピアノがないのでギタートリオでジャズをやるというかたちだった。ふふ、ジャズなんて実はおしゃれでもなんでもないのに、よくわからずにジャズバンドを依頼してくれたのだろう。

確か12月23日だったか、会場に着くと、Yさんとベーシストのほかに女性がいた。Yさんいわく「ボーカルを頼んだ」ということだったが、すでに嫌な予感がしていた。あとから気づいたことなのだが、Yさんがご執心であったようだw

リハをやってみると、そのボーカル、クリスマスの歌なんて全然知らない。歌詞を見ながらホワイトクリスマスを歌える程度。よくもまあそれでパーティの仕事についてきたものだとある意味尊敬した。しかしそれじゃダメだ。 
「何か知ってる歌ないの?フツーのジャズでいいから」
「えーと、サマーサンバとか」

アホか。クリスマスにサマーサンバ?おいらは目の前が真っ暗になった。しかしこのあとさらに目の前が真っ暗になることになる。

Yさんが、「クリスマスソングだったらなんでもいいよ」というと、ボーカルさんは楽譜コピーをとりだして我々に配った。それは日本語による「あわてんぼうのサンタクロース」、童謡の楽譜だった。いやいや、ありえないでしょ。ジングルベルですら微妙ですよ。もっとジャズっぽい演奏ができる曲ないのか。日本語、童謡、これまでで最強レベルかもしれない。J-POPを歌っていたボーカルが小物に思えた。

実際パーティで、日本語でこの曲を歌った。おいらはとにかく恥ずかしくてはやく帰りたかった。はからずも「ジャズを頼んだらまったくおしゃれじゃない演奏だった」という状況を作り出してしまった。







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