2014年7月8日火曜日

体調万全で臨みましょう



大昔の話。
デヴィッド・サンボーンのデビュー当時から彼に心酔していたMさんというアルト奏者がいた。
ウデはいいが酒とクスリで不安定なことがよくあった。

フルバンドでの仕事をしたとき。
出番がきたのでみんなステージへ出て行った。アルトサックスのMさんはヘロヘロ状態で、「上着を着るからちょっとまってくれ」といったもののうまく腕が袖に通らない。これ以上客を待たせることができないので、彼が来ないまま演奏が始まった。
結局Mさんは来なかった。控室にいったらまだMさんは上着の袖に腕を通そうとしてもがいていた。

もうひとつMさんのはなし。
ステージのイスに座っておもむろにリードの位置を調整しはじめたがなかなか決まらない。
演奏が始まってもずっとリードとマウスピースとにらめっこしながら位置を合わせたりしている。
1ステージ終わってもまだやっていた。

素っ裸で道路の真ん中で寝ていたこともあるMさん。白目むいてよだれ垂らしながら30分も吹きまくっていたMさん。でもいまでは酒もタバコもやらず、菜食主義者になってしまった。まさにデヴィッド・サンボーンである。


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