2016年6月29日水曜日

GRP ALL-STAR BIG BAND



GRP。知らない人はフュージョン専門のレーベルだとおもっているかもしれないがそんなことはない。むしろメインストリーム系でよい作品を多数作っている。デイヴ・グルーシンは映画音楽やスタジオの仕事をしながらGRPを運営しライブもこなしアルバム制作もする、ものすごい多才なミュージシャンだとおもう。彼がいるからこそGRPには多くの才能が集まったのだろう。そしてその才能あるミュージシャンたちを自己のアルバムや多くの企画で適材適所的アレンジで紹介する。まさに90年代のエリントンといってもいいのではないか。その代表作のひとつがこれ↓
“GRP ALL-STAR BIG BAND”

上手い人は何をやってもうまい。コンボでやってるミュージシャンばかり集めてもばっちりと決まるアンサンブル力。一流だからあたりまえといえばあたりまえなのか。フルバンドものだから当然収録曲はジャズメンの曲ばかり。ということは決定的名演がすでに世にでているということでもあるのだけど、サラっと粋なアレンジで原曲のよさをまったく壊さずに曲と演奏者の魅力を引き出している。特に、クラリネットとフルートというジャズの、しかもフルバンドでは埋もれそうな楽器を十分に活かしているのがすごい。70年代にアール・クルーのアルバムでアコースティック楽器だけのアレンジで多彩な音色を表現していたグルーシンらしい。音の魔術師といわれているキーボード・プレイヤーがいるけど、ボタンひとつで音を変えるよりもこっちのほうがその呼び方にふさわしいのではないか。ということで全然フュージョンでもエレクトリックでもない、躍動感があり気持ちよくのれるフルバンド、おすすめです。




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