2016年6月4日土曜日

飛び入り 2

引き続き飛び入りの話。

おいらは自分のバンドで、長老格の人が「おーい、1曲やらせてくれよ」と飛び入り希望されたときに断ったときもあるし、許可したものの当初の予定曲を崩さず絶対やったことないであろう難曲にそのまま参加させたこともある。それでもちゃんとできていた長老はすごいなあと思った。


さて、また昔、あるバンドのサイドマンだったときのこと。ライブの途中で、飛び入りはただでさえイヤなのに、K氏が「オレに演奏させろ」とやってきた。K氏は演奏歴だけは長老格でありながら、性格は最低、周囲をバカにして腕前は大したことないという人で、かなり多くの人に嫌われていたのではないか。そのK氏が酔っぱらいながら「やらせろ」ときた。

リーダーは昔K氏に世話になったことがあるらしく、断れない様子。しょうがねえなあと思っていたら、なんとK氏は前代未聞のことを言ってきたのだ。
「いや、オレが飛び入りするんじゃなくて、オレのバンドでやらせろ」

つまりライブジャックですわな。マンガ「To-y」であったね。

リーダーはそれも断れないようだった。おいらはアホらしくなって、リーダーが逡巡しているうちから楽器を片付け始めた。
しかし笑えたのは、ウチのメンバーであるトランペットO君が、1人でステージに残って、K氏のバンドに混ざって演奏していたことだ。明らかにO君の演奏の方がK氏より輝いていて、それだけは溜飲が下がる思いだった。

以上はもうだいぶ前の話である。
いま、おいらのバンドで飛び入りさせてくれという人はまずいない。「弁村はそういうのが嫌いだ」という話が広まっているのかもしれない。しかしあるときメンバーにも見捨てられたか最近まったく活動していなかったK氏が、1人で「1曲やらせてくれ」と来た。びっくりしたなあ。お断りしたけどね。
 





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