2015年12月13日日曜日

ある(高慢な)トランペッターの思い出



ずいぶん前の話。

ある若いトランペット吹きがいて、ジャズに興味をもっていた。吹奏楽をやっていたらしいが、絶対音感が少しあるせいか周りを聴いてその通りに演奏するというクセがついてしまい譜面はあまり読めなかった。
まあそれはいいんだけど、そういうふうにしてけっこう難なく音楽をやってきたせいで自分に才能があると思い込んで少々高慢な態度であった。

しばらくジャズをかじったけれどやはり格好から入ったせいかJ-POPをジャズ風に演奏するという方向に行ってしまった。ある日、彼の伴奏をすることになりおいらを含めたギター・カルテットが集まった。彼が配った譜面はすべてJ-POPの代表曲ばかり。本番1時間前にリハを始めたのだがすぐにおかしいことに気付いた。なんとトランペットの彼もバンドに配ったものと同じ譜面を見てその通りに吹いているのだ。Bb管なので普通は全音高い譜面で吹くか、同じ譜面でも全音高く吹くかする。
ということでフロントとバックで音があわなかったのだ。トランペット君はすぐに演奏をやめてバンドにむかって「なんだ、(全音)下げてくれねえのかよ」と言った。事前にいわれればそうしますけどね。はい。でも普通は実音にそっちがあわせるよね。まあ君無理だろうけど。彼の仕事だったので「ああ、いいよ、下げるから」といってその日は全曲全音下げでやりました。なんというか、態度もわるいが常識はずれなやつだったなあ。



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