2014年3月15日土曜日

John Coltrane「Giant Steps」



ジョン・コルトレーンのジャイアント・ステップス。コルトレーン・チェンジの究極ともいえる曲だ。コンファメーションをコルトレーン・チェンジにした「26-2」もすごい曲だけどね。

ジャイアント・ステップス 

ジャイアント・ステップスは難曲といわれているけど、楽器をやってないひとだとその理由をわからない場合もある。実際にレコードを聴いてみると、ピアノのトミー・フラナガンがかなり苦戦していて、コルトレーンのソロのときとは別の曲に聴こえる。

コルトレーンのプレイはいわゆる「シーツ・オブ・サウンド」でバリバリ音符を敷き詰めていくものである。
この曲の難しいところはテンポだけにあるのではない。確かにテンポも関係している。あのテンポで2拍ずつコードが変わるわけだ、1コードに1秒もない。ただ、単にチェンジが速いだけならそれほど話題にはならない。ポイントは「コルトレーン・チェンジ」というところだ。そう、短三度四度進行というやつだ。これがやりにくい。当のコルトレーンもけっこう同じフレーズを吹いている。
あのテンポであれほど細かいコードチェンジで、かつコルトレーン・チェンジというやりづらい進行だと手癖だらけになるのはしょうがない。手癖でもちゃんとフレーズを作れるだけすごいことだ。
後年マッコイが演奏しているのを聴いたんだけど、これまたやりづらそうだった。トミ・フラのリベンジ録音も「どうにかこうにか」という感じだったなあ。

繰り返すけど、この曲の難しさはテンポではなく、その進行にある。ところが、通常はドラマーにはそれがわからない。

以前あるドラマーのライブに参加することになった。ドラマーには珍しく思ったよりは曲を知っていて、自分がメインのライブだけあって選曲を自分でしていた。
ところが、リハのとき「次は、ジャイアント・ステップス、テンポ300で」おいおい、そりゃ無理でしょ~。ドラマーだから、コード進行によるアドリブがどういうものかわかっていなかったのです。

おいらはジャイアント・ステップスの難しさを説明したんだけど、そもそもコードを理解していない相手であるため「それって、できない言い訳なの?」といわれ、強引に押し切られた。

本番では本人はいい気持ちで叩いていたけどね、おいらはボロボロ、フロントもテキトー、ベースは同じパターンの繰り返しだった。

パット・メセニーがジャイアント・ステップスをゆっくり演奏しているけど、あれはパットだからいいんだよね。おいらたちがやったら「できないから逃げた」と思われるんだろうな。




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