2014年3月4日火曜日

「ジャズはライブ」か?



ソニー・ロリンズが、「日本人はレコードを重視しすぎるが、それではだめだ。オレとマイルスがビリー・ホリデイのバックをやったライブがあるが、そんなのはレコードにないだろ?ライブを聴かなきゃ」といったことがある。

うーん、はっきりいって大きなお世話。

あのねえ、日本では、簡単にライブにいけるほど安く聴けるところはないんだよ。ブルーノート東京なんて高すぎてとてもじゃないがいけない。昔のニューヨークは違ったかもしれないけど、その違いを知ってから発言してほしい。

それからね、巨匠が簡単に来日してライブしてくれるわけじゃないでしょ。そしたら残るはレコードしかないじゃないか。文句あるならあなたが日本に在住してください。

さらに、東京近郊ならともかく、地方に住む人が東京でのライブを聴こうと思ったら、往復数万円の交通費もかかる。大好きなミュージシャンの来日公演を、奮発して見に行くのもありだけど、そんなに頻繁には無理なんだよ、それくらいわかってほしいな。

そもそも日本におけるジャズ人気はレコードがあったからこそのもの。戦後のVディスクから始まって、ジャズ喫茶で憧れのミュージシャンのレコードを聴いて・・・これは日本の一つの文化だと思う。

評論家の岩浪洋三氏がこんなことをいっていた。
「ベイシー楽団の来日公演のとき、端っこの席だったため、最初は楽器の音量バランスがわるくて困った。しかし、徐々にアタマの中のイコライザーが働いて、ちゃんとバランスよく聴こえるようになった。こういうときのイコライジング能力は、ライブに行っていないと培われない」

これも同じように、大きなお世話なんだよな。というか勘違い。
だいいち、普段からライブしかいかなくて偏ったバランスでの演奏しか聴いていなけりゃ、イコライジングするにしても基準がないでしょ。レコードを聴いて、あるべき基準を知るからこそそれに合わせるようになるのです。だったら普段レコードを聴くことがいかに大事かわかるでしょ。


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