2014年3月12日水曜日

ジャズにおける楽譜の意義



ジャムセッションでは、最近はパソコンソフトで作った楽譜を用意してくる人が増えている。おいらも一度チャレンジしてみたけど、手で書いたほうがはやいな。

ジャズの楽譜は基本的にはリードシートであり、何度繰り返していつエンディングにいくか、というのはその場で決まる。
また、細かい表現記号もなく、「ジャズっぽく演奏する」という制約だけがある。適度にハネる、ハネない、何も書いていなくてもスラーにしない、スタッカートにもしない、アクセントの位置など、なんとなくのジャズ的表現が重要だ。アーティキュレーションは命であり、チャーリー・パーカーはその点ホントに天才だったと思う。
誤解をおそれずにいえば「楽譜どおりに弾いてはいけない」ともいえる。アドリブやフェイク云々の話ではなく、上述のように楽譜どおり弾いているつもりでもジャズらしさを考えるとそうならざるを得ないところがあるのだ。これは技術の問題ではなくセンスの問題なのかな。

それと、セカンドリフがある場合などに、本来の楽譜の規則どおりに記号を使って書こうとすると、D.S.4とかコーダ5とか、膨大な枚数になってしまう。だから、テーマ、ソロ部分、セカンドリフ、と3つの部分ごとに書いて、「ソロイスト変わるたびにセカンドリフだから」といったり、パートをADにわけて「ABCのあとBCでソロ、ラストはDBCだから」などと説明して、それでやってしまう。

そんなのは邪道というお堅い人もいるかもしれないけどね、現場はこれで回ることが多い。だいいち、そんなことはジャズミュージシャンにとってはまったく普通のことである。

にもかかわらず、ある非ジャズ系ミュージシャンが、このような方法でやっている自分はすごいだろ、という感じで書いている本を見た。日本人がアメリカに行って、「英語を話すおいらってすごいだろ」といっているようなものかな。


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