2017年1月8日日曜日

名盤とは

名盤とはなんだろうか。ポップスの世界では、長らく名盤というものが存在しない。アルバム出すためだけに捨て曲などというふざけたもので隙間を埋めるようなことをしたアルバムが、名盤になるはずはない。たった1曲名曲が入っていても、名盤ではない。いやむしろ、名盤には必ずしも名曲は必須ではない。

ロックの例でいうと、ビートルズのサージェントペパーズは名曲なんて特にない。ちょっとルーシーやラスト曲がいいけど、他のビートルズの珠玉の名曲と比べるとどうでもいい曲だらけだ。アビーロードも同様。ところが、 アルバム単位で「名盤」となると、名曲だらけのハードデイズナイトやヘルプを差し置いて、必ずサージェントペパーズやアビーロードが選ばれる。

ピアソラのアルバムでも、曲単位ならレジーナ劇場やウィーンが選ばれるに決まっているのに、やはり名盤といえばタンゴゼロアワーだ。 
カエターノ・ヴェローゾも、まったく名曲なんか入っていないのにw87年の「Caetano」で決まりだ。

ジャズでいうと、もっともわかりやすいのが「Kind of blue」。よく考えてみると曲はどれもこれも大したものではない。が、ソロの素晴らしさとあの全体的な雰囲気で、誰もが認める名盤となっている。
ホレス・シルバーの「Doin' the thing」も同様。曲なんてブルースばかりで、曲だけ言うなら1500番台の「6 pieces」の方が名曲だらけなんだけど、どちらが名盤かと言えば断然後者。ソロの熱さが全然違う。

ジャズの名盤はソロの出来が重要。だからといって、「名演あって名曲なし」というのは大間違いなんだけどね。





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