2016年12月6日火曜日

結局犯人は誰?





昔の話。

Yさんというギタリストがいた。年齢がおいらより10くらい上だしジャズの演奏がうまいので周囲から一目おかれていたが、じつは譜面が全然ダメだった。スタンダードを普通に演奏するのはうまいのだけど少しアレンジとかあると一苦労。リハでできても何日かすると忘れてしまい、譜面で確認できないから本番でも失敗するということがしょっちゅうだった。一部の人間からは「全音符すら弾けない」といわれていたが実際その通り。休みと書いてあっても音を出すからそのうち「全休符すらできない」とよばれるようになった。

フュージョンが流行っていたころ、一度きりのライブのリハでYさんと一緒になったことがあった。管楽器が5人くらいいてギターがおいらとYさんの二人、あとキーボード、ベース、ドラム、パーカッションという編成だった。
初回リハで、とあるポップスの曲を演奏しているときにキーボードのSさんが怒りながら「ストップ!ストップ!」と叫んだ。みんなが演奏をやめると「ちょっと、コーダのところから弾いてみて」と。みんなでまたコーダから弾いたらまたSさんが怒って演奏を止めた。「Yさん、コーダのところ弾いてみてよ」
Yさん「え?コーダ?」
Sさん「そう」
Yさん「コーダって『タラララ~』ってところ?」
Sさん「そう。コーダくらい知っていてよ。あんたそこ間違っているでしょ。響きが気持ち悪いんだよね。弾いてみてよ」
Yさん「ばかやろう!俺が音を間違っているわけねえだろ!ここは難しいからいつも弾いたふりして音なんか出してねえんだよ!」
そこにいた全員が大爆笑しました。





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