2016年7月19日火曜日

Carnaval



 

スパイロジャイラの4枚目。これまでのさわやか路線が爆発かと思いきや、キャッチ―な曲がパワー不足で、どうにも煮え切らない。この時期は名手であるランディ・ブレッカーをたくさんフィーチャーしているんだけど、そもそもランディとスパイロサウンドは合わない。モーニングダンスのころからずっと同じ思いの人は多いはずだ。
1曲目からして明確なキャッチ―さがない。「とりあえず始めます」という感じなのだ。子の時点でアルバムの全貌に不安が生じる。

「1曲バラード路線」のAwakeningは確かに目覚めという感じの名曲なんだけど、くろうと好みではないか。Cachaçaはそのタイトルとは裏腹に、まったくブラジル要素が感じられない。Fox Trotなんてタイトルからしてブラジル要素を無視している。でもさあ、このタイトルこのジャケットでそりゃないよなあと思う。Bittersweetは名曲、これは日本人好みかもね。

ラストのタイトルチューン、いかにもジェレミー・ウォールという曲想で、ブラジルらしさはかなり薄いものの楽しい仕上がりになっている。しかし前作までのキャッチ―な要素はなく、がんばって従来路線を維持しようとしつつも空回りしているというのが全体的な印象。スパイロの熱心なファンでないなら、あまりお勧めしない。というか熱心なファンなら持っているでしょうけど。




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