2016年7月8日金曜日

ピアニストコンプレックス

ジャズは大人の音楽である。おまけにクラシックのような地位を得ているわけではない。バリバリのプロの人は別だが、仲間うちでセッションをして楽しむという程度のプレイヤーは、ほとんど大人になってから楽器を始めた人だろう。

とはいえ、ピアノだけは違う。ピアノはそれなりに幼少のころからたしなんでいないと、とてもじゃないが弾けるようにはならない。そういうこともあり、ピアニストには絶対音感の持ち主が多い。キャリアも長いということがあり、たいていの人はピアニストに対してコンプレックス的なものを持っているのではないか。かくいうおいらも若干ながらそういう傾向がある。

しかし、音感があるから、楽器を始めてからのキャリアが長いからというだけでいいミュージシャンというわけではない。これまでいろんなトホホピアニストを見てきた。スローになると3連符しか弾けなくなる、ボサノヴァのバッキングになると2分音符しか弾けずビートが出せない、スローのバッキングで2分音符しか弾けないという人もいた、フロントがタメて終わるというエンディングがどうしても理解できず、いつも自分で勝手にジャーンと終わってしまう、なぜか楽譜が読めない、休符をとれないなどなど。

ピアニストだからといってコンプレックスを感じる必要はない。あちらも絶対音感があるからといて誇らしいとも思っていない。かといって、音大出でコードネームが読めないだけで「ダメだね~これはポピュラー音楽の常識だよ?」といって威張るやつは最低である。やってきたフィールドが違うだけだ。クラシックのピアノの楽譜を見てみるとよい。指示記号だらけで、ジャズ屋にはほとんど対応できないはずだ。

ところで知人のドラマーN君、腕前はあるが、リズム符は読めても音階がわからないという彼は、コンプレックスとは無縁。若手ピアニストにガンガン文句を言う。「ボク楽譜読めないんです」とか言って委縮しているドラマーとは正反対。いや~ある意味尊敬します。
 



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