2014年9月7日日曜日

歌の上手下手について

はっきりいって、おいらは歌手の上手下手がよくわからない。テレビに出るアイドルを見て知人が「最悪だ」と言っても、いまいちよくわからない。いままで「うん、確かにこれはやばいな」と思ったのは某アイドルというか女優というかのGとIくらい。だから、これからいうことは間違いなのかもしれない。まあ、どこかのグループみたいにやたらとコケティッシュに歌うのは、うまいとかヘタとか関係なくぞっとするけどね。

以前評論家の寺島靖国が「ストレートに歌ってうまい人は、本当にうまい人。ヘタな歌手ほどストレートに表現しても勝ち目がないから変にこねくりまわす」といっていたことがあるけど、それも一理あると思う。

昔、おいらがいたバンドに若い女性ボーカルが入ることになった。バンマスのLさんは経験豊富なひと。歌手にも的確なアドバイスができる。
Lさんはボーカルに「そうやって、下から音をさぐるような歌い方をやめなさい。狙った音を出せないからそうやってさぐるようになるんだよ」と言ったことがある。これはけっこう重大な発言だと思った。

下からさぐるような歌い方って、つまりフレーズの入り方がすべてベンドアップみたいな歌い方で、まあ聴けばすぐわかると思うんだけど、カラオケでもなんでも、テレビに出るような人も、ちょっと歌に自信があるような人は99%そういう歌い方をする。プロのジャズボーカルも、当然アメリカ人もそういう歌い方をする人は多い。いま思いつくのはヘレン・メリルだな。そういうのをやめろ、というのだ。

確かにおいらも、ああいう歌い方が大嫌いだった。「ぅぁああーいらぶ~」みたいな感じね。「私は自分の歌に酔っています」という雰囲気もあるからね。

スポーツの国際試合などで、テレビに出て歌っているひとが国会斉唱をするときは、ほぼ必ずこういう歌い方だ。すごく自分に酔っている感じに聴こえるけど、Lさんのいうとおり「狙った音をダイレクトに出せないから探している」というようにも思える。

確かに、実際に音をダイレクトに出すと、うまくいかなければストレートすぎて単調に聴こえるのかもしれない。でも、うまいひとはやっぱりそれでしっかり聴かせることができるのだと思う。

それと、ベンドアップすべてを否定するわけではないけど、必要以上に多いというのは事実。国家斉唱でそれが一番顕著になるね。 何も考えずにやるのではなく、狙ったところで効果的にベンドアップを使って歌えるとよいのではないだろうか。





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