2014年4月2日水曜日

スムース・ジャズは嫌いです

ヨアヒム・E・ベーレントのジャズ進化論は「進化」というところに問題があるよね。「ジャズ変化論」といえばいいと思う。
で、その変化論に拠っていうならば、21世紀のジャズはスムース・ジャズなのでしょう。

でも、はっきりいって、このスムース・ジャズ、まったくおもしろくない。よくもまあ、こんなにつまらん音楽をやっているな、というくらいつまらない。あ、モダンジャズ好きとしていっているので、独断と偏見の塊だから反論しなくていいよ。
フュージョンとスムースジャズを混同しているひともいるけど、フュージョン好きのおいらにいわせれば全然似ていない!

たとえばフォー・プレイ。ボブ・ジェームスにリトナー(初代メンバー。今はもういないね)、ネイザン・イーストにハービー・メイソンですよ!それが何、あの体たらくは?
ファースト・アルバムはまだよかったんだけど、2枚目からスムース路線深まってしまった。ラジオで流れるリル・ダーリンはまあよかったけど。

それからスパイロ・ジャイラ。2枚目のライブアルバム「ロードスコラーズ」の次、ウインダムヒルから出したゴット・ザ・マジック。ここからスムース路線になってしまって、聴きごたえがなくなった。

おしゃれフュージョンとスムース・ジャズはまったく違う。それは、ライツ・オブ・サマー以降のスパイロ・ジャイラと上述ゴット・ザ・マジック以降を比べればよくわかる。スムース・ジャズには骨がない。

スムース・ジャズにも功罪の功はある、という人もいる。たとえばスムース・ジャズのおかげでジャズのリスナーが広がったようだ。ポップス好きも聴くようになったとか。

でもさ、以前にもいったように、ジャズを偏ったイメージで捉えられるのは、本当にいいことなのかな。「ジャズといえばスイング。え、コンボって何?」とか「ジャズといえばスムース・ジャズ。やっぱり都会の夜で、おしゃれでじゃまにならない音楽、お酒を飲むときのBGMにぴったり」というのは、チャールス・ミンガスの「直立猿人」をこよなく愛するおいらにとっては我慢ならない、そういうのはジャズファンにならなくてもいいわい、と思うのである。

ただ、スムース・ジャズも簡単そうに聴こえるけど、やはりジャズといわれるだけあって、けっこうテクニカルなことをいとも簡単にやっているように聴かせる。さすがだよね。だからこそもったいないんだよなあ。


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