2017年4月29日土曜日

映画West Side Story




映画、ミュージカルのファンだけでなくクラシックやジャズ側でも知らない人はいないであろう超有名ミュージカル映画。いわゆるベテランではなく若い俳優が中心なので、歌のメロディをへんにいじくりまわしたりしないのがよい。マイフェアレディの映画はひどかったからな・・・

曲だけでなく振り付けもすごくよい。でもその振付をうまく表現しきれていないというか、もっと昔のミュージカル映画と比べると演じている側のレベルが少し低いような気がする。いうまでもないけどストーリーは「20世紀のロミオとジュリエット」。舞台を少年ギャング同士の抗争に置き換えているのだけど、冷静にみるとチンピラどもがあほなことをやっているだけと感じる。若気の至りなんだよね。トニーとマリアがあっさりと恋に落ちるのも急すぎるし、トニーがカッとなるのは話にならん。いくらなんでもそりゃだめでしょ。同情できないよ、と。

有名な悲劇だけど、おいらには悲劇を好む人種を理解できない。ハッピーなほうがいいじゃんとおもう。一人死んで二人死んで最後に主役も死ぬ、みたいなのがイタリアのオペラ全盛期には流行ったそうだけどさ。ギリシア悲劇とかも、どうしてあんなのがうけるのかわからん。とはいえこのミュージカルのおかげで多くのジャズの名盤がいくつも生まれている。

で、ジャズの話からさらにはずれるんだけど、本家シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」はもっと急展開なんだよね。恋して駆け落ちしようとして死ぬまで、3日間の物語。こういう物語はリアリティなんて不要で、これでいいんだ、というようなことを作家の阿刀田 高氏が言っていた。その理由は忘れたけど、とにかく納得した。

どこまで本当かわからないけど、作曲者バーンスタインはこの音楽にジャズ要素をつけたかったそうだ。音楽録音にジャズメンとクラシック演奏家を呼んで、ジャズメンには普通にイーブンで8分音符が書かれている楽譜を渡してクラシック奏者には「ハネた」表記の楽譜を渡したとか。ちょっとウソっぽいし、ジャズメンがハネた演奏をしているというのはよくある思い込みだ。




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