2017年4月12日水曜日

適者生存

これって以前言ったかな?

あるジャンルの音楽が生まれて、成熟・精錬されていく過程で、だんだんその音楽に最も適した楽器のみが残り、その楽器がその音楽の特徴となる。初めてタンゴが生まれたころはバンドネオンなんか使用されていなかった。それが、だんだん「お、この楽器もいいかもね」というところから始まっていつの間にかそれが主役、必須条件となってしまった。
ショーロの花形であるパンデイロもバンドリンも、ショーロが生まれた最初期には使われていなかった。

ジャズでも、当初はチューバが使われていたけど、鑑賞音楽になる過程で持ち運びの容易さが重視されなくなり、ベースにとってかわられた。

ピアノトリオという構成の面でも、ドラムレスのギター入りが、いつの間にかピアノ、ベース、ドラムという構成が基本となった。

そのピアノトリオ+フロント何か、というパターンでジャズは定着したかなと思っていたが、いつの間にかそのフロントはテナー最優先というようになっている。それが少なくとも21世紀の定番となっている。
以前も紹介したように、あるNYのプロが「自分はアルトだったからプレイヤーの数が少なくて声をかけられてデビューできた。テナーだったら数が多すぎて自分には声がかからなかった」と言っていたように、テナーが完全に主流になっている。
 フリーの世界では、テナーであることが必須になっているようにも思える。じゅうぶんなフラジオと低音を両立できるテナーは、アルトではかなわない。フュージョンならアルトとソプラノが合うんだけど。

というように、時間をかけてだんだんその音楽にぴったりの楽器が定着して、いつか必須条件となるのはダーウィンの適者生存に似ている。あと数十年もすると、ジャズで使われる管楽器はテナーがあたりまえ、あとはすべてキワモノという時代になるのかもしれない。




↓よろしければ投票してください!

音楽(ジャズ) ブログランキングへ