2017年4月9日日曜日

古くさい音楽

ジャズの魅力は、確かに現在進行形のジャズにもあるんだけど、多くの人はその古くささに対しても魅力を感じているのだと思う。そもそもジャズはそういう性質を持っている。

スイングを聴くときには、クリアな音質でなく、スクラッチノイズがあった方が雰囲気が出る。たまに古いサッチモを聴くと、幸福な気持ちになる。ラジオ放送の音源とかもなんだかムードあるよね。

「50年代はジャズの黄金期だから質が高い」というのもわかるけど、やはりその時代がもっている雰囲気、その古くささは魅力。これはジャズ以外の音楽にもいえることで、例えばおいらは古いタンゴが大好きだ。古いタンゴを聴くと、いつもカルロス・ガルデルの肖像が脳裏に浮かぶ。そして「いいなあ」と思う。

古くささというのとはちょっと違うかもしれないけど、全盛期の70年代フュージョンは、まさにその時代を切り取ってきたかのような古くささを持っている。聴くたびに70年代に行くことができる。すごいパワーだ。
その時代には生きていなかったけど、サヴォイのパーカーやBN1500番台を聴くと、その当時の風景が見えてくる。今がその時代だという錯覚も生まれる。

これって、歌謡曲でいう「歌は世につれ世は歌につれ」というやつとはちょっと違うかも。「実際に生きた時代を思い出す」というわけじゃないからね。

しかし、クラシックを聴いても「古くさい」と思わないのは不思議だ。ポピュラー音楽をバカにするような人みたいに「普遍性があるから」とは言いたくない。ポピュラー音楽ではないから、というのも違うと思う。ポピュラーかどうかなんて後から決まってくるものだ。なぜクラシックには古くささを感じないのか。それは想起する時代があまりにも現代からかけはなれているからなのだろうか。



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