2017年9月18日月曜日

順番

ものごとには順番がある。スターウォーズのシリーズを見るにあたり、ルーカスのいうように1から順番に見ていくのはナンセンスだ。これだと、ダースベイダーの正体がわかったとき、「ああ、ようやくばれたんだね」という思いしか生じない。公開順である4から見ていけば、正体がわかったとき「なにい!?」と驚ける。個人的にはスターウォーズは4,5,1,2,3,6の順番で見るのがいいと思っている。間に回想シーンが挟まる、コナン・ドイル方式である。

作家の辻村深月の作品を読むにも順番がある。くじら、スロウハイツは脇において、発表の順番に従って「子どもたちは~」の次に「メジャースプーン」を読むのはダメ。これだと「ああ、秋先生が言っているのはあのときのことね」と、素直に納得して終わるだけ。メジャースプーンを先に読むと、「秋先生のあれは、これだったのか!」と、すごく衝撃を受ける(すみません、知らない方がそのとき楽しめるのでネタバレしないようにしてます)。

とまあ、前置きが長くなってしまったが、ジャズの場合、できるだけ初演を先に聴きたい。なぜなら、やればやるほどテンポが速くなってしまうからだ。
「So What」なら初演は初演でいい雰囲気を持っているから問題なく聴けるし、トレーンの「My favorite things」も同様、まったくちがう表情の演奏に仕上がってるからいい。
問題は「Nardis」ですよ。エヴァンスの69年頃の演奏って、激しくてすごくかっこいいじゃないですか。それを最初に聴いてからエクスプロレーションズを聴いてごらんなさい、「あれ、どこにもNardisが入っていなかったなあ」と思っちゃうよ。いや、これなんてまだいい。ひどいのは初演ですよ。

ポートレイト・オブ・キャノンボール
 
これね。一応エヴァンスも参加している。ここでの、2管によるゆる~いNardisはずっこける。エヴァンスが何度も演奏を重ねていってようやくこの曲の本領が表現されるようになるのだ。それまで10年かかるw

ちなみにこの曲はマイルスの曲だとかマイルスとエヴァンスの共作だとか、エヴァンスが「自分の曲なのにマイルスが横取りした」と言ったとかいろいろ言われているけど、初期モードの曲で、メロはともかくエヴァンス風の進行だと思う。





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