2016年8月27日土曜日

TIME REMEMBERED



BILL EVANS “TIME REMEMBERED”


ジャズ聴き始めのころにはエヴァンスとコルトレーンにかなりはまったので、どちらもおおよそのアルバムは持っている。そのため、最近はエヴァンスのアルバムについて思いつくままお話ししています。
 
リヴァーサイドの「シェリーズ・マン・ホール」と同じライブの残り物を収録したアルバム・・・というとまったく魅力を感じないかもしれないが、おいらにはむしろこっちのほうが選抜で「シェリーズ・マン・ホール」のほうが残り物に感じる。エヴァンス本人がアルバム収録曲を考えて演奏していたわけではないしね。何かの手違いで向こうが世に出てしまったのではないかとすら思う。

てんでバラバラな本家に対しての分家こちらはすっきりとまとまっている。”LOVER MAN”は暗くなりすぎずしっとりと聴かせる。”WHO CARES?”はエヴァンスとしてはめったにやらない曲だけど(キャノンボールとの共演盤はあるね)バンド全体がスイングしていて軽くなく重くなく軽快な演奏だ。なんといっても素晴らしいのが”IN A SENTIMENTAL MOOD”で、大方の期待を裏切ってしっとりとしたものではなくハネ気味でいく。これが絶妙でこの曲のベストだと言い切りたい。タイトル曲”TIME REMEMBERED”はいろいろなアルバムでやっているがどれも名演。ここでの演奏も当然そう。

ところで、いま出回っている盤はスタジオ録音のソロ演奏を追加しているんだね。おいらのもっているレコードはライブ音源だけ。片面4曲で1曲あたりの時間もだいたい同じですっきりした印象。何の脈絡もないスタジオ録音追加(追加というか最初に5曲はいっている)なんて統一感がなくなるという点でダメだとおもう。
最近はプロデュースとは「アイドルみつけて歌作って歌わせる」「カネになる企画を考える」ことという誤解があるから、簡単にアルバムをぶち壊すようなCD追加をしてしまう。追加はうれしいけど、ちゃんとアルバムの最後に入れてほしい。もっとも最近のCDは、80分弱、捨て曲wも含めてとにかく詰め込んで、長ければ消費者が喜ぶと勘違いしているような作り方しかしていないから、クインシー、キープニュースやリピューマの仕事なんか理解できないんだろうな。


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