2016年1月27日水曜日

なんでも数値化

最近、ゲームの影響か「経験」を「経験値」という人が増えている。プロの物書きが「経験値が浅い」とか意味不明の言葉を書いている。アホかと思う。「経験値が浅い」とか。値が浅いって意味がもうわからん。現実の世界には経験の数量化なんてないぞ。偉い人が「もっと経験値を積んで」とか平気で口にする。「経験を積む」の間違いだろ。

こういうのは単に言葉の意味を考えずに無意識でしゃべっているだけで、歌詞の意味を考えずにノリでついつい複数形にしてしまうアホなボーカルと同じである。そう考えるとなんとなく許せる。

この数値化とはまったく意味合いが違うけど、ジャズの世界にもアホな数値化がたまに見られる。自分はうまいと思いこんでいる手抜きドラマーも数字が好きだ。以前にも書いたように、曲を理解せずに、

「ブレイクは24小節目?頭?前の小節?」

と確認してくるが、そんなのこのスタンダード曲を知っていればわかるだろう、といいたい。こっちだって「○小節目がブレイク」なんていうふうには覚えていない。曲の感じで、ここでブレイクだなと思うわけだ。まあこれは「数値化」ではなく単なる「数値」の話だけど。

36小節のスタンダードとか40小節のスタンダードがあるとやたらと小節数を確認してくる。数字なんかどうでもいい、曲を覚えてくれよといいたい。「All the things you are」「I'll remember April」みたいに超有名でも32小節でないと

「これ、どこでフィル入れればいいの?」

とくる。この曲も知らないのかと唖然となる。曲を知らなくても叩けるのだろうが、そんなんで今までやってきておもしろかったのかなあ。それなら人と演奏せずに自分ひとりで叩いていても同じじゃないの?

それから、リハで初めての曲をやるときやセッションで。指鳴らしたりしてカウントを出しながら「こんなテンポで」というと、

「180?」

とかきいてくる。
アホか。知らんわ。「こんなテンポ」といったらこんなテンポなんだよ。いま示しているだろうが。 それとも「いえ、190で」といったら正確に対応できんのか。
これは最初にこっちが「テンポ200で」といったときに「うーん、こんなくらい?」と叩いて示すのとは逆の流れだが、意味合いはまったく違う、というのはよくわかると思う。

それと、「こっちで数コーラスソロやってからテーマをやるという構成で」というと「何コーラス?2?」
とか確認するやつ。数コーラスなんだからその場のノリで決めるのに、どうしてそこまできくのか。ていうかこっちの話きいてないだろ。
で、リハで2コーラスくらいでテーマをやったりすると、終わったあとで「2コーラスでテーマね。」とメモしたりしている。おいおい、どうして臨機応変な対応ができないのだ。ジャズだろ~といいたい。
 
以前にもいったボーカルの「でわぁ、私が1コーラスやったらぁ、ギターが1コーラスのアドリブをやってぇ、ピアノが半分やってからまた歌でぇ」といちいち事前に決めちゃうのも嫌だけど。
事前の取り決めがないほうがおもしろい。これは「キメ」をなくしてできるだけブローイングセッション風に、という意味ではない。キメと取り決めは違います。

とまあ、数値化ではなく数値の話をしてみました。 


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