2015年4月13日月曜日

ボサ・ノヴァをはじめて聴いたとき



 
THE OSCAR PETERSON TRIO “WE GET REQUESTS”

おいらが初めて聴いたボサ・ノヴァはオスカー・ピーターソンの言わずと知れた大名盤、”WE GET REQUESTS(邦題:プリーズ・リクエスト)収録の「コルコヴァード」と「イパネマの娘」です。正確にいうとどちらもボサ・ノヴァの曲ではあるけどボサ・ノヴァで演奏されているわけではなく「ピーターソン・トリオの音楽」としか形容しようがないのだけど、演奏内容は大変素晴らしい。「ニセボサ」と揶揄するひともいるかもしれないけど、そんな小さなことはどうでもいいジャズのお手本ともいえる演奏で、いまでもその考えはかわらない。

上に挙げた2曲とも、もとの曲を知らない状態で聴いた。なんせまだ本格的にジャズを聴くようになるまえに、たまたまオムニバスCDで聴いたのだから。しかしながら、後年になってジョアンはじめ生粋のボサ・ノヴァのバージョンを聴いたあとでも違和感がおこらないくらい完璧な演奏で、改めて敬服。とくに「イパネマの娘」でのリリカルな表現から生まれる雰囲気はこのトリオでなければ作り出せない境地のひとつではないかと思う。

ジョビンがボサ・ノヴァについて「囁くように歌え」と言っているけど、ピーターソンの演奏はまさに囁くような感じだ。それに寄り添う(これまた寄り添うという表現がぴったり)レイ・ブラウンとエド・シグペンもささやくような演奏で、これを超える「ジャズでの」イパネマの娘はないのではないかなと思う。ゲッツのものはそれはそれですばらしいんだけど、どうもジャズという切り口ではない。

ところで、普通はキーをFでやるけどピーターソンはD♭でやってるんですよ。ここらへんからもすごく考えてつくられているアルバムだとおもう。

まあしかし、以前にもいったとおり、ピーターソンの「ソウル・サンバ」はまったくブラジル音楽ではない・・・これは「う~ん、どうだろう」という感じw





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