2015年2月22日日曜日

BAD BENSONはGOOD BENSON



レーベルというのはそれぞれ独自の個性をもっているがCTIも例外ではない。そして70年代前半のCTIはなんともいえない雰囲気がありおいらはすごく好きだ。逆にこの時代のCTIが大嫌い、という人もいるでしょう、特色がありすぎるよね。

GEORGE BENSON “BAD BENSON”

さてこのアルバム、当然アルバムタイトルとはちがって内容はGOODだ。”TAKE 5”の新解釈に惹きつけられる。おいらはベンソンならこの頃の歌う前の時期が一番すきだ。
このアルバムで特筆すべきはケニー・バロン、名演奏の連発である。

ベンソン先生はウェス・モンゴメリーとは全然ちがうスタイルだけど、余裕顔でものすごいことをするというところだけはウェス直系といっていい。このふたりの余裕さはハンパじゃない。あえてもう一人加えるとしたらリー・リトナーだ。”CAPTAIN FINGERS”のステージを見たら笑っていた。すごすぎてこっちが笑ってしまった。

アルバムの話にもどると、ドラムがガッドでベースはロンだ。ガッドはいつものごとくタイトにビシバシ決める。問題はロン。いまさらながら「グィィィーン」がひどすぎる。曲によってはずっとやっている。B面1曲目はこのアルバムの一番の聴かせ曲(かもしれない)なのに、音量は小さいくせにロンがとにかくうざい。つぎの曲はベースがユニゾンでけっこうテクニカルに動く曲。それほど難しいリフではないが、おいおいロンやるじゃないかと思ってライナーみたらこの曲だけベースがフィル・アップチャーチ・・・。最後の曲でのロンは本当にジャマ。少々テクニックがあるとやたらと動くベーシストがいるけどさ、一緒にやっている側からすると、センスいいならともかく後ろでごちゃごちゃやられるとすごくやりづらい。ベースはシンプルでいい。ソロのとき自分を表現すればいいのだからバックのときにやたらと動くのはやめてほしい。わるいけど日本人にこの手の人が多い。最後の曲でのロンはまさにこれ。ベンソンがやりづらそう、というかフロントとバックがかみあっていない。ロンがシンプルに弾けばすべて解決して音楽がぐっとよくなる。わるい見本のような演奏だ。

 今回はロンだから不満を言ってるというわけではなく、ベースのあり方について考えてみた。人によってはラファロのあの演奏も「ごちゃごちゃしてジャマ」ということもある(おいらの知人がそう)。ラファロは別にしても、技術があることをアピールするだけの演奏はうざいだけだね。おっとロンがそうだとは言ってませんよ、ええ、「技術がある」とは、ね。





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