2014年12月21日日曜日

これって名盤? トレーンの「バラード」

すみません、いくら毒舌とかが許されても、それをいったら「お前はジャズをわかっていない」といわれるだろう、という感じなんだけど・・・


 



以前にもいったことがあるけど、コルトレーンのバラードは、駄盤だと思う。おお、いきなり結論からバッサリ言ってしまった。

世の中には思ってもいないくせにスポンサーのためにほめまくる評論家もいる。かっこつけるためにわざわざ小難しい、ミュージシャン本人もよくわかってないアルバムを「最高だ」という評論家もいる。音楽的な感受性が乏しくて、ホントはいいと思っていないくせに世間に流されて「傑作だ」という評論家もいる。逆に、名盤をボロクソにいえばいいと思っているだけの人もいる。

おいらは正直ベースで言っているんだけど、ホント「バラード」はつまらないアルバムだと思う。詳しいことはそれこそ先般言っているとおりだけど、若干の重複をおそれずに筆を進めよう。

プレステージ時代からコルトレーンのアルバムを集めまくって、一時はコンプリーターに近付いたほどコルトレーンは聴いてきた。彼の「傑作」とされるバラード録音は、自らはテーマだけ吹いて、ソロはピアニストなど他のミュージシャンだけ、というパターンが多いと記憶している。すみません、ほとんど処分しちゃったんで、改めて聴いて確認することができないのです。
「コートにすみれを」もそうでしょ。「バラード」の「Say it」もそう。コルトレーン自身がソロをとっている録音は、世間的に酷評されているわけではないけど特にこれをお薦めというふうにいわれているわけでもない。そっちの方がおもしろいのにね。

おいらとしてはトレーンの音色が好きだし、やはり彼のアドリブが聴きたい。だからいきなりソロなしのバラードが流れても「あれ?終わっちゃったよ。おいおい、ソロはどうしたんだい」と思うわけなのだ。

それでも「Say it」はムードあるからよしとしよう。でも次に「You don’t know what love is」が始まると、ガクッとなる。これはこれで、嫌いな曲ではない。おいらも好んで演奏する(やりやすいからw)。でも、冒頭で作られた「バラード」のイメージではない。酒を飲みながらくつろぐ、という曲想ではない。ましてや女の前で流してかっこつけるときに似合う曲ではないのである。
ジャズを愛するおいらだけど、「だからジャズはだめなんだ」といいたくなる。良くも悪くも純粋に音楽のことしか考えていないため、時にはリスナーのニーズを無視するのだ。
これは4曲目も同じだね。「All or nothing at all」、おかしなポコポコリズム入れちゃって、もうムードぶち壊しだ。契約違反ですわ。

B面に入ると、そういう非人道的な曲はなくなる。どれもこれもすばらしい演奏だ。トレーンのソロがない曲もやっぱりあるけど。

でも、結果としてこのアルバムは駄盤。その一番の原因は「バラード集だから」だよね。1曲単位で聴くとどれもこれもいい。4曲目だっていいですよ、アルバムコンセプトを気にしなければ。でも、全編バラードって、あきるんだよね。BGMとしてならいいでしょう、つまりはしっかり聴かないわけだから。でもジャズファンならそういう聴き方はしない、スピーカーの前でじっくり聴くはずだ。そうするとスローテンポばかりが延々と続くとだんだんつまらなくなっていくのです。わかって買ったはずなのに「次はテンポ速い曲こないかな~」なんて思いながら聴いてしまう。曲単位では最高ランクなのにね。「What’s knew」なんて、ジャズ史上に残る名演だと思うけどね。

ところでバラード集ならどれもこれもだめかというと、そうでもない。エヴァンスの「Moonbeams」、これはバラード集といわれているみたいだけど、実際聴いてみると確かにほとんどスローだけど、だれない、あきない。何が違うのだろうか。力が抜けている、とかエヴァンスのほうがバラードが得意、だとか、いろいろあるのかもしれない。
確かに、トレーンのほうはメンバーがマッコイとエルビンとギャリソンでしょ、このメンツでバラードとか言われてもねえ、冷静に考えると「おい、おまえら、気は確かか」と言いたくなるわw エルビンなんてこのアルバムでもけっこう叩きまくってるし。
 




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