2017年8月7日月曜日

HUBERT LAWS “THE RITE OF SPRING”



HUBERT LAWS “THE RITE OF SPRING”


春の祭典といえば「なるほど・ザ・ワールド」、といってわかるひとは、昭和40年代以前の生まれだろう。

おいらがヒューバート・ロウズを初めて聴いたのはジャコのデビュー作だった。こんなにかっこいいフルートがあるのかと驚嘆した(実際はピッコロだったのだが)。ヒューバートのリーダー作はそれほど多くないしほとんど入手不可だったので、ほどなく彼がゲスト参加しているレコードも集めるようになった。マイケルとちがってかならずソロイストとして呼ばれるわけではないが、それでもヒューバートの音を聞けるとうれしかったものだ。
その頃ヒューバートの録音としてまっさきにあがっていたのが本作。いまでもこれが筆頭だろうけど。初めて聴いたときは心底がっくりした。なんだこれは?クラシックを焼きなおしただけじゃねえかと。なにがクラシックとの融合だよ。こんなのはジャズじゃない。評論家連中はみんな高評価してるけどあいかわらずのクラシックの権威にびびっているだけ。あー、やだやだ・・・などとおもったのだ。

数十年たった今ではまったく逆で、これほど見事にクラシックとジャズを融合させた例はないとおもう。タイトル曲であるストラヴィンスキーの大作を9分にまとめる手腕もすごい。アイアートの刻まないパーカッションはセンスあふれている。ボブ・ジェームスの存在感のないエレピがすごく合う(←ほめてます)。一番偉いのはアレンジのドン・セベスキー。ものすごい功績だとおもう。
アルバムとしてはA面が重要でB面は不人気だったとおもう。バッハのブランデンブルクは牧歌的になりすぎていると感じるがそこは好みだろう。意図は伝わるしほとんど変えることなくジャズっぽさを出すあたりがさすが。




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