2015年8月6日木曜日

なんともいえない

ずっと昔の話。

バンドの練習に、「見学したい」ということでメンバーの知り合いのロックやっている人がきた。そういうことは珍しくない。ブラバンの人が「ジャズに興味があって」といって来たりとか。

そのときは、ロックやっているドラマーが来た。しばらく練習してから、その人に「何かやりましょうか」と声をかけた。すると、その人は

「うーん、ツェッペリンのロックンロールだったら『できます』」

といって、いきなり叩き始めた。なんかのレコードとそっくりに叩いているらしい。おいらは何が起きてるのか理解不可能だった。というか、理解はしてたんだけど、違和感というかカルチャーギャップというか。

まず、「ツェッペリンだったら誰でも知ってる」と思いこんでいるところにたまげた。ロックンロールというのは曲名なんだけど、ロックを通過せずジャズから音楽に入ったおいらは、当時その曲をきいたことがなかった。 文脈から曲名だということはわかったけど、はっきりいって「知らねえ」という感想しかなかった。

さらに、ドラマーが特定の曲を「できる」と表現することに違和感がたっぷり。どういうことかというと、レコードの完全コピーを当然のように考えての発言なんだよね。うーん、この違和感、伝わらないかなあ。ジャズ知っている人ならなんとなく理解してもらえると思うんだけど。すみません、イマイチわからなかったらごめんなさい。
とにかく、このときの呆然とした気持ちは今もはっきり思い出せる。いったいこの人は何を言って、何をしてるんだろう、という気持ち。レコードどおりに叩けるようにこれまでずっと練習してきたのかあ。それを自慢しているのか。まったくすごいとも思えないなあ、という感覚。

ちなみにジャズの人間がロックの曲を取り上げるときは、当然オリジナル音源のコピーなんてまったくしない。素材としてそれをどう料理するかということしか考えていない。だから、テンポが速すぎて、とか、コードが面倒で、ということで「できない」ということでもないかぎり、自分たちの好きなように演奏してもそれを「できる」という。いや、そもそも「できる」という概念がないのかも。

 


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