2015年3月3日火曜日

オーネット・コールマン 「ジャズ来たるべきもの」



ORNETTE COLEMAN “THE SHAPE OF JAZZ TO COME”

油井正一さんが「クラシックの無調とジャズの無調はちがう」と書いていたがなるほどうまいなと感じた。クラシックの無調と同じものもジャズにはあるから油井さんの言いたかったことを正確にいうと「クラシックの無調とジャズのフリーはちがう」となる。

たいていのジャズファンはフリー・ジャズが嫌いでも1枚くらいはフリーのアルバムをもっているとおもう(え、そんなことない?)。そしてフリーをあまり聴いてなくてもフリーにいくつもの種類があることを知っている。オーネットとアイラーの音楽は明らかにちがうし60年代BNでみられるフリーもまたちがう。コルトレーンも全然ちがう。おいらはフリーには全然くわしくないけど、ごくごくまれにフリーが(どフリーではないw)聴きたくなることがある。たいていはA面だけ聴いて「やっぱりな」と思い、また棚にしまうというパターンだけど。

さて、フリー・ジャズとしては真っ先にあがるこのアルバム。オーネットはボックスセットで5枚くらいきいてどれも同じだなと閉口した経験があるが、これはいわゆる「そんなにわるくないから困る」(by寺島靖国)だ。オーネット出現から評価までは5年くらいかかりそれでも賛否両論で現在までもそれがつづいているわけだけど、そういったことを考えながら聴くと当時の支持者たちが「まさにこれからのジャズ!」といった気持がわからなくもないような気がしないでもないかもしれないと思うこともあるかもしれないという可能性がなきにしもあらずといい得ることを期待できる、たぶん。

それにしてもおいらが気になるのはチャーリー・ヘイデンの技術の未熟さが目立つこと。ご存じの通り彼は握りネックで弾く。弦楽器においてネックを握るのはスムーズな運指の妨げになる。ジャズの4ビートなら音がやたらと動くのでなおさらダメだろう。だから彼のラインは速い曲になると狭い音域だけでやっていることになり、さらに音と音の間に休符ができてノリがわるくなる。このころはまだ右手のピッチカートも不安定だ。聴いているこっちがいつ崩れるかと不安になってくる。

えーと、では最後にフリー・ジャズを少しでもよく感じる方法をひとつ。それは「大音量で聴く」です。フリーに限らず大きい音で聴いたほうが伝わるものも大きいと思います。あ、ロックとかの爆音みたいなのは別ね。あれはうるさいだけ。あくまでもジャズのはなし。




↓よろしければ投票してください!
 
音楽(ジャズ) ブログランキングへ