2017年7月25日火曜日

「ジャズ喫茶のオヤジはなぜ威張っているのか」



 
後藤雅洋著:ジャズ喫茶のオヤジはなぜ威張っているのか


いうまでもないが、延々とジャズ喫茶のオヤジがなぜ威張っているかを論じている本ではない。著者は長くジャズを聴いているだけあってかなり核心をついたことがたくさん書かれている。自分でもそう考えていたけど言葉に表せなかったこととか。そういったことを重々しくいうのではなく、短いエッセイのなかでサラッといれているところがすごい。

レコード会社に気を使ったライナーノーツや雑誌の批評とちがって、きれいごとをいわないのはもちろんだが、他のジャズ喫茶店主や評論家の著作のように好き勝手いうのではなく、客観的に判断して語っているところに好感が持てる。
著者はミュージシャンではないけどジャズの演奏についてもかなり適確な判断をしていると感じる。現代のジャズがつまらない理由がわかるような気がしてくる(本書では現代のジャズがつまらないとはいっていない。いいものもあると肯定している)。当然ながら60年代や70年代の話はおもしろい。おもしろおかしく派手に笑える内容ではないけど(ニヤリと笑えるところは多い)かなりオススメの本だ。

実はおいらは、ジャズ界では有名な(多分・・・)著者と寺島氏の対談をずっと昔に読んで「なんて頭の固いやつだ」と思っていたんだけど、この本を読んで評価がすっかり変わりました。



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