2017年6月7日水曜日

HERBIE HANCOCK “HEAD HUNTERS”




HERBIE HANCOCK “HEAD HUNTERS”

いや~このアルバムには特別な思い出がある。はじめてこのアルバムを聴いたころのおいらはバリバリのアコースティック至上主義であり、アンチ・エレクトリックだったせいもあり、電気感あるジャケットからしてかなりの抵抗を感じていた。仮面つけたやつの後ろに不穏な感じの男たちがうっすら見えるのが不気味だし。エレキベースが見えるしw

有名だからとりあえず聴かないわけにはいかないとおもっていたんだけど、とても電気サウンドなんてカネを出す気になれない。当然自分で買ったわけじゃなく人から借りた。全4曲であって当然曲の演奏時間が長すぎる!と、うんざりしていた。

で、実際に聴きはじめると同じことの反復がやたらと多く「いつまで前奏が続くんだ」「なぜメロディがないのにこんなに繰り返すのだ」と疑問がわいた。だいいちコードが単純すぎるので、スタンダードばかり聴いていた耳にはつまらなく感じた。頼みの綱だと思った「ウォーターメロン・マン」は原型をとどめてないどころが全く別の曲になってるしwああ買わなくてよかった、と思ったねw

「スライ」は、このレコード聴く前に楽譜があったのでピアノで弾いてみたことがあり、実際の演奏がどんな雰囲気なのかわからないけどSUSコードがものすごくかっこいい、もっとゆっくりな感じでやるのかな、などとおもっていたので、やっぱりガックリした。それに「ベイン・メルト」は2、4拍のビートがオモテに聞こえて「おれはジャズを聴く感覚がないのかも」と悲観的になった。

と、おいらの初ヘッドハンターズはこのような感想であるけど、当然今はものすごく好き。こんなにノれる音楽もめったにない。さすがハービーの自信作だ。「カメレオン」はハービーのフレーズの美しさとリフに戻る前のアウトが絶妙。「ウォーターメロン・マン」も大胆なアレンジが素晴らしい。はっきりいって今では初演バージョンの100倍好きであるw(このあたり、フュージョンファンの踏み絵かもしれないw)。「スライ」のベニーとハービーの熱いプレイはアルバムの白眉であり、ずっと終わらないでほしいとおもう。なんでワンコードであんなに盛り上げることができるのか、脱帽なんてもんじゃない。
そして「ベイン・メルト」は・・・・あれだけはいまだにあのビートがオモテに聞こえるんだよねw



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