TCHAVOLO
SCHMITT “MIRI FAMILIA”
一時「ジャンゴの再来」ともいわれていたチャボロ・シュミット。気まぐれな性格のため寡作だが、その1枚1枚が強烈にスイングしている。マヌーシュ・スイングの世界ではアーシーゆえに派手な演奏ではないけれど聞いてすぐに確かなテクニックが伝わってくる。
このアルバムはベースひとりと数人のギター(曲によってちがう)だけによる渋めの内容。アコーディオンやバイオリンがいないのでマヌーシュ・ギターが好きな人にはより楽しめるとおもう。
スイング・ジャズにジプシー的解釈を加えたものがマヌーシュ・スイングであり、そのスタイルはジャンゴがほぼひとりで完成させたといってもいい。ジプシーの血をひくシュミットは幼いころから彼らの音楽を体験していて、6歳からギターを弾き始めている。そんな彼を付き合いの長いメンバーたちがサポートしたリラックスした演奏をぜひとも多くのひとに聴いてほしいです。
ところで「ジプシー」は差別語とされる傾向にあるが、それは言葉を発する人の意思にもよるよね。たとえば「シナ」。そもそも「シナ」は歴史学者岡田英弘によればまったく差別語ではなくむしろ国がどんどん変わるため大陸のあの地域を呼ぶにはそれ以外の言葉がない、とのことだが、侮蔑をこめて「シナ」という言葉を発する政治家もいるわけで・・・おっと、難しい話をしてしまった。
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