ジャズ系書籍としては異例の勢いで浸透しているかのようなこの本、コードがおかしいのは以前書いた。コードが『ちがう』ってのはべつにいい。版によってちがうのはよくある。でも『おかしい』ってのはだめだ。
そのほかにもまずい点がいくつかある。まず無理やりつけている邦題。「枯葉」とかセンスがいいのならかまわないけど、そのまま直訳みたいなものが多い。POLKA DOTS AND MOONBEAMSを「水玉模様と月光」と書いても情緒も何もない。野暮なだけだ。さらに、DEAR OLD STOCKHOLMを「麗しのワームランド」と書いてもたいていのひとはわからない(とおもう)。てか、それ本当に邦題として正しいのか?浸透してるのか?疑問を感じるのには理由がある。今回のブログを最後まで読めばわかります。もしそれが原曲の題名であったとしても、いまのジャズの情勢では「懐かしのストックホルム」のほうがピンとくる。
邦題のつづきだが、「IF I WERE A BELL」のような有名な邦題がある曲は、逆になにも書いていない。おいおい書かなきゃだめでしょ。
さらに副題とでもいうのかな。原題の下に同じく英語でカッコ書きされているものがたまにある。これもまちがいが多く、ラバカンの下には”OUR LOVE IS HERE TO STAY”とある。はじめてきいたぞ。全然違う曲だろ。副題が他の有名スタンダードと同じ?ありえねえw
「I
HEAR A RHAPSODY」の下には”RHAPSODY IN BLUE”とある・・・おいおい、ちがうって!何言ってんだ?! 「気は確かか?」そのせいか作曲者までガーシュインとなっているのだw・・・あほすぎる。
この「作曲者」というのがこの本が一番まちがいが多いところだろう。「A CHILD IS BORN」もサド・ジョーンズではなく「トラディショナル」になっている。ひでえ。おまえはバップ勃興期のミュージシャンかっつーの。こんなのがかなり多い。チャーリー・パーカーの曲も本名で書いたりフルネームで書いたり表記がバラバラなのもいただけない。出版社の編集者がこれを見逃すとしたら、相当無能だ。給料泥棒といってもいい。これを見てそのまま信じる人が実際にいるから困る。
「作曲者なんて誰でもいいじゃん、演奏に関係あるのかよ」というひとがいるかもしれないがそういうところも気にするのがジャズではないだろうか。たとえば”SO WHAT”の作曲家がルイ・アームストロングって書かれている楽譜があったとしたら「別にいいじゃん」ですませるか?名曲「MOUNTAIN DANCE」の作曲者名がグルーシンでなくおいらの名前だったらクレームはつけないがw
細かいこととか周辺情報だけをあげつらっているわけではない。冒頭にいったとおり、コードが「おかしい」。(ちなみに「青本」はメロディがテキトーすぎるw)
納 浩一さん監修らしいが、ウソだろ、と思う。
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