2014年1月4日土曜日
映画「スイング・ガールズ」
映画「スイング・ガールズ」。ジャズファンにとって、この映画は愛憎半ばというか、感謝もすれば憎しみもある、ビミョーな映画だろうね。
まだ初々しい上野樹里が、「ジャズするべ!」といってジャズをする映画です。説明になっていないね、ごめん。
この映画のあと、全国の中学校や高校で吹奏楽部によるジャズ演奏が増えた。吹奏楽部をそのまま「○×高校ジャズオーケストラ」に変えたところもある。
おいらたちジャズファンにとっては、いままでジャズというと、なんかくら~いオヤジの音楽なんて思われていたのが、若々しい楽しい音楽として認知されたこと、それとジャズという言葉が普通に世間で使われるようになったことをうれしいと思っている。
これまでは淡谷のり子をジャズだと思っている人もいたし、えらい出世ですわ。
でもね、この映画に苦々しく感じている部分もあるのは事実。ジャズファンならみんなわかるはずだ。
そう、この映画ではジャズ=スイングとして描かれていること、その点がねえ。正確にはA列車を演奏しているからスイング限定ではないけど(細かいな)、いずれにせよビッグバンドこそがジャズとして描かれている。
すると、ジャズのイメージが、確かに「かっこわりいオヤジの音楽」というものからは脱却したものの、「すご~く古い、戦前の音楽。でも聴いていて楽しいかもね」という、これまた微妙な地位向上をしたことになるのだな。
コルトレーンを聴いて育った世代にとっては、我慢ならぬところだろうな。
おいらはビッグバンド経験があまりなく、というかほとんどなく、というかまったくなく、いや、まったくではないが、音楽人生の99%はコンボなので、やはりコンボが好きだ。だから、ジャズ=ビッグバンドという認識が広まってしまうと、少々困ることがある。
以前、初対面の人にいわれた。
「演奏者が集まらないから4人とかでやってるんですね。たいへんですね。」
違うぞ!おいらはコンボが好きなんだよ!だいたいビッグバンドのギターはみんなフレディ・グリーンみたいなことしなきゃならないだろ、あれが好きな人もいるが嫌いな人もいるんだよ。
いいか、ロリンズがピアノレスでライブをしたのは、ピアニストがみつからなかったからじゃないんだ・・・多分。人数が足りなかったからじゃないんだぞ。ジェリー・マリガンとチェットがピアノレスのカルテットを組んだのは・・・当日ピアニストが来なかったかららしい。
だいいち、ビッグバンドでは演奏する曲がかぎられるよ。オリジナルアレンジは現実的ではないから、市販のスコアがあるものになるだろうし、ビッグバンドでコルトレーンの曲できないでしょ?「パート1承認」とかさ。まあ、これはコンボでもあまりとりあげないだろうけど。ちなみにおいらはライブで至上の愛1~3までやったことあります。
コルトレーンはビッグバンドと相性がわるい!あ、ボブ・ベルデンのアレンジで、ウディ・ハーマン楽団がトレーンの「カウントダウン」をやっていたな・・・
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