2014年1月20日月曜日

ハービーとチックは・・・



昔のはなし。

ジャズを流しているけどライブはしていないという店があった。広い意味ではジャズ喫茶に分類されるとおもう。数十年つづいている店だった。

そこでジャズのライブをやることになった。その店でライブというのは初めてということだった。ギター、ベース、ドラムという編成。

ライブをやることが店の常連客に伝わった。「みんな楽しみにしている」と店のマスターからきいていたのでメンバー一同気合いを入れて練習していた。演奏する曲のいくつかは告知ポスターにも書いてあった。曲はなんだったか忘れたがハービー・ハンコックとチック・コリアの曲もいれてあった。

ところが!どこの世界にも頭が固いひとがいるもんで、店に電話がかかってきたのだ。

「ハービー・ハンコックとチック・コリアはジャズじゃないからやるのをやめさせなさい」

おいおいおいおい!「きみ~ハンコックですよ~」などというギャグが通じる相手ではないのはすぐわかった。(わかる?)
いくら電化したとはいえハービーとチックをジャズじゃないと言い切るとは。すごいね。当然ながらその電話をしてきたひとはご高齢。「もしやるようなら二度と店にはいかない」とまでいったそうだ。

店に迷惑をかけることを恐れたし、当時若造だったおいらはびびってしまった。しかしベースの「関係ねえ」というひとことで予定通り決行。

当日の満員の客のなかにそのひとがいたのかどうかわからないけど、おいらはスタンダードをやるときより少し遠慮気味にうつむきながらハービーとチックの曲を演奏しました。


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