オンステージ
昔の話。
定期的に飲み屋の仕事をしていたときのこと。少し広めの店で、奥の席でメンバーで話しながら時間をつぶし、定時になったら店の中央のスペースで演奏をするというかたちで進めていた。
なんとなくのダラダラで、「あ、そろそろ9時だからやろうか」といって演奏場所まで行く。お客さんはおいらたちが出てきても準備していても、そして演奏しても知らん顔。BGM係だ。そんなもんだよね、ライブじゃないし。
ある日お店に行ったら、おいらたちが普段座っている奥の席がなぜかTwitterもとい、衝立で仕切られていた。店のマスターいわく「あなたたちもお客さんも、演奏していないときに同じ空間にいない方がいいでしょ」とのことだった。
さて、また演奏の時間が近づいてきた。そろそろ演奏しようかと立ち上がりかけたところ、衝立の向こうから珍しくマスターの声が聴こえてきた。
「皆様、お待たせいたしました。今宵お送りするのはあの弁村カルテットです。トップクラスの腕前をぜひお聴きください!では、弁村カルテット、どうぞ!」
すっごく恥ずかしくなって、それでも衝立の裏からごそごそと出てきてお客さんにお辞儀をしたが、もうホントやめてほしかった。お客さんも、単に飲み屋に来ただけなのにライブ鑑賞を強要されて困っていたようだが、マスターだけは満足そうにしていたw
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