ANGELO
DEBARRE & LUDOVIC BEIER “PAROLES DE SWING”
ジャズの主要なスタイルのひとつになったマヌーシュ・スイングは、世界的にも日本国内にもファンが多い。でも外国作品が日本プレス盤としてリリースされることが少ない。
では日本盤で発売される少ないタイトルの作品群はよほど内容がよいのかというと、これがたいてい駄盤である。本作(邦題:スウィングの空の下で)もそのクチで、アンジェロ・ドゥバールならもっといい作品あるのになぜそっちが日本盤にならないんだろうとおもってしまう。
個々の楽曲は素晴らしいんだけどアルバムとして聴くとなぜかイマイチなんだよね。おいらは保守派ではないのだけど、マヌーシュ・スイングにエレピやドラムが入ってくるとなんとなく残念だ。6曲目のシラキューズがそうなんだけど(後半がブリージンにそっくり)。あと、冒頭にMCいれたりラ・メールの前後に波の音やカモメの鳴き声入れたりとか凝りすぎなのもどうもねえ。作り手はいろいろ考えているのかもしれないけど、何度も聴くリスナーとしては邪魔だよね。ちなみに波の音は北海というかドーバー海峡なのか、トロピカルでない、なんだかいかにも寒そうな波の音。たかが波の音もここまで違うのかと思った。
という意見を友人Mに話したら、「何言ってるんだ!今までマヌーシュはつまらないと思っていたが、これはいいアルバムだと思ったぞ」と反論された。やはり音楽の好みは人それぞれだね。彼に言わせると、MCやカモメSEなどがアルバムとしての工夫であってそこがまたいい、と言っていた。波の音については「変に南国風でない、いかにも欧州風の音で、臨場感がある」と高評価。まるっきり逆だw
ただこのアルバム、日本盤の帯がいい。全曲「シャルル・アズナブールの代表曲」等、その曲がどういう曲なのか一言解説がついており、初めてマヌーシュやフランス音楽を聴く人にも興味が持てるようになっている。マーケティング的にはすばらしいと思った。
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