2013年12月29日日曜日

「音を出さない」ということの重要性 ドラマー編



「音を出さない」ということをできるかどうか。ドラマーのレベルはこの一事でわかるといってもいい。ホント、世の中には音を止めることができないドラマーが多い。

ブレイクのときに必ず1拍はみ出るドラマーも多い。最初、「飛び出すな車は急に止まれない」と同じで、叩き方の都合で難しいのかなと思っていたんだけど、楽譜を無視して叩いていて、周囲が止まったから自分も止まった、だから1拍遅れた、ということのほうが多いようなんだな。1拍でなく1小節くらいたたかないと止まったことに気付かないひともいる。それはちょっと問題外かもね。
楽譜を読もうとしないドラマーは当然こうなるわけで、もういちいち指摘してリハをやり直すのもいやになってくる。こういう時間の無駄を作るから、「オイラはドラマー、楽譜は読まなくても叩くぜ」というのはすごく困るのだ。

話が少しずれたね。この「遅れて止まる」というパターン、これは最終的には止まるわけだから、まだましかもしれない。とにかく、「止まる」とか「音を出さない」ということができないドラマーが多い。繰り返してるけど、おいらは何度もそれで苦労させられたからさあ。

おいらの経験ではこんなことがあった。リハでの話です。

ピアノ「冒頭1コーラス、ピアノとサックスだけでやって、ドラムとギターとベースは休みですから。2コーラス目から入ってきてください」
ドラマー「OK、わかった」
(チャッ、チャッ・・・)
「ちょ、ちょっと、ドラムは休みっていったでしょ」
「うん、だからハイハット踏むだけにしてるんだけど」

・・・「音を出さない」ということの意味がまったくわかっていない。とにかくテンポを提示していなければいけないと思っているのだ。ドラムが鳴らないということによる音楽的な効果すらわからないのかなあ。

この話は「冒頭1コーラス」、それもリハだったからまだよかったよ。ほかのドラマーの話で、「この曲はまるまる最後までピアノとフロントのデュオ」という約束だったのに、本番でずっと「テンポキープ」のつもりでしょうね、ハイハットを踏まれていたことがあった。ライブでベースが指示どおり音を出さずに休んでいるのに、ドラムがちゃっかり音を出して、最後までハイハットだけという状況、すごくシュールだよね・・・

今日のインターネットのニュースで、泉谷しげるが紅白のリハでブチ切れたというのがあった。彼特有のパフォーマンスなのかなと思っていたけど、読んでみると違った。

歌唱曲「春夏秋冬2014」の音合わせ中、泉谷しげるのアカペラパートをドラムが叩き続けてしまうと、泉谷が「コラッ!やるんじゃねえバカ!」と一喝。最後まで歌い終えると「やめたもう」と一言、ステージを立ち去ってしまった、とのこと。
10分後に再び戻ってくると「めんどくせえなあ」とつぶやきながらもリハーサルを再開。その後臨んだ会見では「さっきも怒鳴ってしまったんだけど、何回もやらせやがる。1回で決めろバカヤロー」と毒づいたそうです。

泉谷のすぐ怒るパフォーマンスはあまり好きではないんだけど、これはパフォーマンスでなくて本気でしょ。怒りそのものが本気でないとしても不満に思ったことは事実。
スタジオ・ミュージシャンのドラマーでも、こういうことってあるんだね。けっこう意外でした。



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