プロアマ問わず、ジャズの器楽奏者で困ったちゃんのボーカルの被害にあったことのある人は多いでしょう。
ちょっと(いや、かなり)古いけど、20年くらい前の話。
バンドにボーカルをいれようという話になった。ギターにとって歌伴は勉強になるのでおいらも賛成だった。そこで、メンバーの誰かがほかのバンドの知り合いにジャズのボーカルを紹介してもらった。
初リハーサルのとき。現れたボーカルは当然女。女というか、女の子。そりゃそうだよね、男のジャズ・ボーカルは少ない。需要も少ない。そりゃあちょっとはウキウキしましたぜ、ダンナ。
ちょっと(いや、かなり)古いけど、20年くらい前の話。
バンドにボーカルをいれようという話になった。ギターにとって歌伴は勉強になるのでおいらも賛成だった。そこで、メンバーの誰かがほかのバンドの知り合いにジャズのボーカルを紹介してもらった。
初リハーサルのとき。現れたボーカルは当然女。女というか、女の子。そりゃそうだよね、男のジャズ・ボーカルは少ない。需要も少ない。そりゃあちょっとはウキウキしましたぜ、ダンナ。
彼女は20代半ばだったとおもう。レパートリーを尋ねたところ驚きました。ジャズのスタンダードはひとつも知らないとのこと。どうやら手違いがあったようだ。でも「星に願いを」なら歌える、と本人がいうとみんなとりあえずほっとした。
「じゃあそれやりますか。キーはわかる?」
わかるわけないよね。
とりあえずよくある女性キーでやってみた。
1コーラスおわるとそのボーカルが、
「すみません、ひとつあげてください」
(おいおい、ひとつってなんやねん。カラオケとちがうで)
と思いつつ半音あげる。
それで1コーラスおわるとまた、
「すみません、もうひとつあげてください」
(・・・・まあやってみようぜ。移調の練習になるし)
「すみません、またひとつ・・・」
あ、ペットがイライラしてきてる。
「すみませんがもうひとつ・・・」
すみませんがといってるが全然すまなそうな態度ではない。バンドをカラオケと思ってるようだね。
そう、バンドをカラオケと思っているボーカルはけっこういる。自分の伴奏をするためだけに存在すると。悲しいけど。
結局12キーすべてでやった。そしてそのコは、
「うーん、わかりません」
バンドメンバーのうち気がいい半分は「ええかげんにせえよ!」と思い残りの半分はなぜか笑介ばりに「ズッ」となった。
「じゃあそれやりますか。キーはわかる?」
わかるわけないよね。
とりあえずよくある女性キーでやってみた。
1コーラスおわるとそのボーカルが、
「すみません、ひとつあげてください」
(おいおい、ひとつってなんやねん。カラオケとちがうで)
と思いつつ半音あげる。
それで1コーラスおわるとまた、
「すみません、もうひとつあげてください」
(・・・・まあやってみようぜ。移調の練習になるし)
「すみません、またひとつ・・・」
あ、ペットがイライラしてきてる。
「すみませんがもうひとつ・・・」
すみませんがといってるが全然すまなそうな態度ではない。バンドをカラオケと思ってるようだね。
そう、バンドをカラオケと思っているボーカルはけっこういる。自分の伴奏をするためだけに存在すると。悲しいけど。
結局12キーすべてでやった。そしてそのコは、
「うーん、わかりません」
バンドメンバーのうち気がいい半分は「ええかげんにせえよ!」と思い残りの半分はなぜか笑介ばりに「ズッ」となった。
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