2013年12月16日月曜日

ということで、「Ballads」by John Coltrane



コルトレーンの「バラード」。「バラッズ」といったほうがいいのかな?別のところでもいったけど、これは日本でもっとも人気のあるアルバムの1つといわれているけど、はっきりいってつまらないアルバムだと思う。

バラード(デラックス・エディション)  


おいらにとっては、5曲目のマッコイのイントロと、6曲目「WHATSNEW」だけが聴きどころであり、ほかはどうでもいい。

特に、世の中のテナーマンは1曲目の「SAY IT」を演奏したがるけど、この曲はコード進行も単調で、コルトレーンの演奏はまだ聴けても自分で演奏しておもしろいものではないんだな。

このアルバムがつまらない理由は、全体的に同じようなテンポでアルバムの緩急がないことがあげられる。

それから、こっちはコルトレーンを聴くつもりで買ったのに(そうだよ、ダメ出ししているけど、おいらはカネをだして買ったんだよ!)、1曲目からしてトレーンはテーマを吹くだけで、なんとなく釈然としなかったりする。

まあ、そもそもトレーンのバラード演奏のはしりとされた、プレステージの「コートにすみれを」が、テーマ吹くだけだったんだけどね。コルトレーンのバラードはそういう特徴がある。

さらに、バラードということで納得しようと思ったら、4曲目に「のるかそるか」というふざけているとしか思えない邦題の曲が、これまた日本人にとってはバラードとはいいづらい曲想で鎮座しちゃっているんだなあ。

つまらないアルバムでも、いいムードをつくるBGMになるだろうと思ってさりげなく流していたら、この「のるかそるか」がその考えを否定するかのようにいきなり登場するのだ。かなりムードがあってこりゃいける、と思っていた瞬間にこれが流れてぶち壊しになってフラレたらどう責任をとってくれるのだ、え、コルトレーンよ?

いやいや、トレーンの責任ではない。わるいのはプロデューサーのボブ・シールだな。

文句ばかりいったが、実はおいらはマッコイが大好きであり、最初からマッコイ重視の曲ですといわれていれば満足する。トレーンのソロがくるかなという期待を裏切られて、ちょっと違和感があっただけなんだね。

あと、「WHATSNEW」は通常のテンポよりぐっとおとしたうえで倍テンにして演奏しており、4分弱で1コーラスしか演奏していない。これがすごーくかっこいい。マネしたいけどできないよ。

このアルバムでトレーンを好きになったジャズ初心者の方は、ぜひこのあと彼の「クル・セ・ママ」とかを聴いて、ジャズ界の無常さを知ってもらいたい。

なお、買う前に昔のスイングジャーナルのディスクレビューを見て、「クル・セ・ママ」のほか「インターステラ・スペース」や「ライブ・イン・ジャパン」にもしっかり5つ星がついているのを確認しておくと、無常さのほかに商業主義の残虐さを理解できるので、お勧めですよ。



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